EV時代の本格SUVの先駆け的存在となる可能性は十分
あらためてそのスタイリングを見てみると、どことなく1967年にデビューした2代目「フォード・エコノライン」をうまく咀嚼して、絶妙にスケールダウンさせたよう。これがまたアメリカ車をそのスタイリングの範としていたころの日本車に通じるものがあり、嫌味のない自然なノスタルジーをうまく醸し出す、という大変難しい作業を成功させているのがお見事です。
短期間のうちに完成させた「くっすんガレージ/KGモータース」のセンスと制作能力の賜物である、この独創的な「T-BOXプロト」で思い出したのは、「ジムニー」の礎となった軽四輪駆動車「ホープスターON」のこと。これが「ガチで走破性の高い実力派EV」という新たなジャンルの幕開けとなる可能性は十分にあります。55年前はせっかくの発想や開発力が商売や事業の継続には結びつきにくかったですが、幸いながらこの令和の世はそうとも限りません。量産化を目指すというKGモータースのこれからに大注目です。