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本格悪路の少ない日本じゃヨンク性能より大切! 「アプローチ・デパーチャー・ランプブレークオーバー」という3つの角度とは

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: Land Rover/トヨタ/Auto Messe Web編集部

デパーチャーアングルはリヤタイヤの接地面からリヤバンパー下に直線を引いた角度

 一方、デパーチャーアングルは、リヤバンパーやマフラーなどが障害物に当たらず超えられる角度で、こちらもリヤタイヤの接地面からリヤバンパー下に直線を引いた角度のこと。ランドクルーザーであれば26度。けっこう優秀なのがエクリプスクロスPHEVで29.6度となる。ジムニーに至っては、フロント同様リヤオーバーハングも極端に短いため、51度を誇っている。エクリプスクロスの性能

 とはいえ、ジムニーのスペックでしか走破できないようなシチュエーションは、日本国内のアウトドアフィールドへのアクセス、平時の一般道ではまずないと考えていい。

 このほかにランプブレークオーバーアングルと言う、前後輪の接地面と、車体下中央部分をつなぐ角度のスペックもある。こちらは超本格悪路向けのスペックであり、岩と岩を乗り越えるようなシーンでの、岩の頂点がボディ下部に当たるかどうかの判断基準となるから、そこまで挑戦しないアウトドアユーザーであれば、あまり気にしなくていいだろう。ランクルのアウトドア性能

 加えて、そうしたアングルとともに、三菱のS-AWCやスバルのXモードといった、走破・脱出のための制御も悪路の走破性には欠かせないポイント。いずれにしても、どんなオフローダーでも自然相手に”絶対”はない。アプローチ、ラインの読み、あくまで慎重な運転が基本である(クルマを壊さないためにも)。フォレスターのデパーチャーアングル

 ちなみに筆者はこれまでの悪路走行経験として、ランドローバー/レンジローバーの本拠地、英国のジャングルトラックという特殊なオフローダー専門のテストトラックを走ったことがある。階段上りや川渡り、泥濘路走行、スイスからイタリアへの車幅ギリギリの尾根伝いを微低速で行軍し、ときには上り坂の180度ターンに挑んだ「ハンニバルトレイル」、スイスのスキージャンプ台での滑走、そして国内自動車メーカーのテストコースにある極悪路などを体験した。ランドクルーザーのテストの様子

 じつは、クルマが大きく傾き限界を迎える前に、運転手や乗員自身が先にギブアップしてしまうというのが、本当のところである(筆者の場合)。

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  • 青山尚暉(AOYAMA Naoki)
  • 青山尚暉(AOYAMA Naoki)
  • 学生時代からプロミュージシャンとして活動し、ある日突然自動車専門誌、輸入車専門誌の編集者に転身。その後、モータージャーナリストに。新車試乗記やクルマコラムの執筆だけでなく、1台のクルマに対して20カ所以上を独自開発ツールで計測する車両パッケージ解説にもこだわりまくる性分。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動し、愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿について情報発信。Web、専門誌、一般誌、ラジオ、TV、インターペット、キャンピングカーショーなどで「愛犬との快適安心な旅スタイル」を提言。小学館@DIME、PETomorrowなどでは愛犬とのライフスタイル、ドッグフレンドリーカー記事を展開中。カートップの連載「CT DOG」をまとめた『愛犬と乗るクルマ』はドッグフレンドリーカー選び、愛犬とのドライブ旅行のバイブルとなるムック本。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」「ムリしないで外車が買える本」「すごい海外旅行術」など。輸入車の純正ペットアクセサリーの企画、開発、デザインにも携わっている。趣味はスニーカー、バッグ、帽子の蒐集。今も音楽をいい音で聴くことにこだわり、愛車のサウンドシステムは総出力400W 10チャンネル9スピーカーで構成されるデンマークの「DYNAUDIO」。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~)。
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