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個性派揃いの日産だけに「日陰気味」! ツウだけが名車に挙げる「バイオレット」とは

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

マイナーチェンジでノッチバックに変更

 そして初代バイオレットの一大事件といえば、途中、1976年のマイナーチェンジでセダンがファストバックからノッチバックにあらためられたことだろう。後にも先にもこれほどのマイナーチェンジは例がないほどだが、後方視界や居住性が良くないといった声がタクシードライバーなどから上がったことがこのマイナーチェンジの理由だとされていた。日産バイオレット

 不思議なことにカタログ掲載の図面を見る限り、後席の空間(座面から天井までの高さ)の数値はともに860mmと変わらない。けれどマイナーチェンジ前後を見較べるとリヤドアは完全に作り直され、ガラス窓の面積がは拡大(ドア開口部も拡大)、下辺のウェッジが弱められ、この時には、テールランプとガーニッシュも真一文字の別デザインにあらためられたものを採用している。

 相当な投資となったであろうことは想像に難くないが、そこまでしても実行する必要に迫られての改良だった訳だ。一応、このマイナーチェンジは筆者もリアルタイムで“目撃”していたが、その変容ぶりに戸惑わされ、驚かされた覚えがある。

 なお初代バイオレットに搭載されたエンジンは、1.4Lと1.6L。1.6Lは、高性能盤のSSS系に搭載され、電子制御式とキャブレター仕様があり、電子制御式には当時の日産の排出ガス清浄化システムのNAPSを採用。最終的により厳しい当時の昭和51年排出ガス規制をクリアしたL16E型で、110ps/13.8kgm(電子制御式登場時は115ps/14.6kgm)の性能を確保していた。日産バイオレット

 サスペンションのSSS系はリヤに510型ブルーバード譲りのセミトレーリング式(そのほかのグレードはリーフスプリング式)を採用した、4輪独立懸架としていた。カタログには“幾たびも至難のサファリラリーを制覇した、あのブルーバードの熱い伝統が、強烈に息づいています”と記されている。日産バイオレット

 なおセダンがノッチバック化された際、“よりラグジュアリーな装備をそなえた”(カタログの表記より)“L”グレードが追加された。その違いを1600 SSS-E-Lと1600 SS-Eとで較べると、間けつ式ワイパー、FM・AMマルチラジオ、カセットステレオ、タルボ型電動式リモコンミラーの4点の有無(程度)だった。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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