さらに水温を下げたいならサーモスタットやラジエーター交換を
もう少し安全な領域まで下げたいなら、サーモスタットを交換してもいい。エンジンとラジエーターの間で『水門』のような役割を果たしており、水温が低いときは閉じてクーラントをエンジン内だけで循環し、水温が上がると開いてラジエーターも循環させ冷却する仕組み。当然ながら社外品は純正より弁の開く温度が低く設定されており、一般的に『ローテンプサーモスタット』などの商品名で呼ばれている。コレまた古いクルマは固着して開きにくいことがあるので、リフレッシュを兼ねて社外品を使ってみるのもアリだ。
まだまだ温度が高いようなら大物、つまりラジエーター本体の容量アップ。循環の方式やコアの材質に厚さなどさまざまなタイプがあり、サーキットでは軽量なアルミの多層コアが人気だが、大きくなればなるほどクーラントを含めた重量が増えてしまうし、さらにはオーバークールは本末転倒なので慎重に選んでほしい。同時にラジエーターのホースもシリコン製などにすれば、耐久性の向上とドレスアップを両立できるので一石二鳥だ。
エアロパーツによる冷却も無視できない。開口部の大きなフロントバンパーやエンジンルームの熱気を抜くダクトなど、場合によってはラジエーターより先にコチラを試してもいいほどだ。
ココまでは水温に絞って解説してきたが、油温の対策を優先させるべき車種もある。水温に引っ張られて油温もある程度まで低くできるとはいえ、ハイパワーのターボ車ならオイルクーラーを装着したほうが安心。いずれにせよ愛車のエンジンやチューニングの度合い、走るステージなどによってどこまでの強化が必要かは異なる。ココで取り上げた冷却系のアイテムを無闇に装着していくのではなく、ノウハウのあるプロショップに相談しつつ『適温』を目指そう。