今回も2台がともに無事完走
アメリカでもっとも人気のある自動車レース・シリーズ「NASCAR(ナスカー)」。その3大カテゴリーとなる、「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」のうち、トラックシリーズに長年参戦しているのが服部茂章代表率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」だ。今シーズンも若手ドライバー2名を起用し、トラックシリーズに参戦している。
シリーズ4戦目となる「XPEL 225」は、テキサス州オースティンにあるCircuit of The Americas(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で開催となった。今季初のロードコースを42周(143.22マイル)で争う。HREの2台のタンドラは『#16 LiUNA! TOYOTA TUNDRA』にタイラー・アンクラム選手、『#61 BAMA BUGGIES TOYOTA TUNDRA』にチェイス・パーディ選手が乗り込んで挑んだ。
決勝前日となる3月25日(金)に行われた予選セッションで10番グリッドを獲得したアンクラム選手は、26日(金)の闕所レースでも、スタートから順調な走り出しでトップ10内のポジションをキープ。チームはピット作業をできるだけ遅らせる作戦を取って最初のステージを5位でフィニッシュし、ステージポイントも獲得している。
第2ステージでもトップ10内をキープしていたが、このレース2度目のイエローフラッグが出された22周目、アンクラム選手はピットへ戻るも、ここでのペナルティを指摘されて26番手まで大きく順位を落とすこととなってしまう。それでも16号車はしっかりと追い上げを見せ、ステージ終了時には19番手まで順位を戻していた。
この最終ステージ前のステージブレイクで給油とタイヤ4本交換を終えた16号車は、最終ステージを22番手からスタート。残り11周のレースは、ここからトラック上でスピンが頻発し3度のイエローコーションが出される激しいものとなった。
16号車もその荒れたレースの巻き添えになりながらも、15番手までポジションを回復。レースはオーバータイムに突入し、このレース最終盤のリスタートで他車のトラブルもうまく利用してポジションを挽回し、7位でフィニッシュした。これによりドライバーポイントも10番手にまで上昇することとなった。
レース最終盤をなんとか走り切り16位でチェッカー
一方61号車のパーディ選手は、練習セッションでは9番手のタイムを出すなど好調であったのだが、予選でのミスにより、22番グリッドからのスタートとなった。それでもマシンは好調で序盤から速さを見せ、第1ステージ終了前にピット作業を終える作戦で9周目にピットイン。26番手で第1ステージを終了している。その後のステージブレイクをコースに留まり、11番手から第2ステージをスタートさせた。
順調に走り出した61号車だったが、20周目のターン19でスピンし他車と接触してしまう。ここでタイヤをパンクさせてしまったため、パーディ選手は29位まで順位を落としてしまう。しかし、その後の第2ステージのステージブレイクでまたもコース上にとどまったため、最終ステージを13番手からスタート。
そしてこの混沌としたレース最終盤をなんとか走り切り16位でチェッカーを受けた。これはパーディ選手にとってはロードコースでの自身最高位フィニッシュで、シリーズのドライバーズポイントで4ポジションアップの19番手に順位を上げることに成功した。
ナスカー・トラックシリーズは、第5戦「Blue-Emu Maximum Pain Relief 200」をバージニア州にあるバージニア州にあるマーティンスビル・スピードウェイで4月7日午後8時(東部時間)に開催する。このサーキットは、1周0.526マイル(846m)のショート・オーバルで、路面のアウト側はアスファルト、ターンのイン側だけコンクリートという複合路面のため、セッティングが難しいコースである。