ポルシェは「911」だけじゃない! 最新技術を投入しても消えていったFRモデルたちとは (1/2ページ)

ポルシェは「911」だけじゃない! 最新技術を投入しても消えていったFRモデルたちとは

この記事をまとめると

  • ポルシェといえばリヤエンジン・リヤドライブのRRが代名詞
  • 911はRRの基本パッケージを踏襲し続けている
  • ポルシェ=RRのイメージを払拭するべく誕生したFRモデルを振り返る

世界中のクルマ好きに支持されるポルシェ911

 世界を代表するスポーツカーブランドであるポルシェ。その歴史を長らく支えてきたのは、RRレイアウトに水平対向6気筒エンジンを搭載する911でした。しかし過去には911からの脱却を目指し、さまざまなFRスポーツカーを造ってきたという歴史もあります。それはポルシェの挑戦と苦悩の歴史でもありました。

ポルシェ=911からの脱却を目指して

 1948年に誕生したポルシェ初の量産車である356、そしてその後継モデルとして登場し、今日まで生産され続いている911。どちらもRRレイアウトに水平対向エンジンを搭載しており、その基本的なパッケージは約70年が経過した現在のモデルでも不変です。RRレイアウトとなったのは356を市販化にするにあたり(プロトタイプではミッドシップ)、室内空間をより広く確保するために取られた策でした。このRRレイアウトという選択がいい意味でも、悪い意味でも356と911のアイデンティティとなり、今日まで続いていくこととなります。

 しかし、RRレイアウトは911の独自性を強めることとなり、ポルシェ=911というイメージを長く引きずることとなります。その結果911に頼る経営体制となってしまいました。ポルシェはこの状態を脱却するため、さまざまなFRスポーツたちを世に送り出していったのです。

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ポルシェ初のフロントエンジン搭載車「924」

 911の弟分として1970年から販売されていたミッドシップポルシェの914。その914のマーケティング上の後継モデルとして、FRになって1976年に登場したのが924です。ポルシェとしては初めてフロントにエンジンを搭載したモデルとなり、水冷エンジンもポルシェ初採用でした。

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 搭載されるエンジンはアウディ100に搭載されたエンジンをベースに、ポルシェが改良を施した2.0L直列4気筒SOHCで、最高出力125psを発生。トランスミッションはエンジンの後ろではなく、デフ直前に配置するトランスアクスルレイアウトを採用しています。911の弟分であるエントリーモデルながら、初採用のメカニズムや手間のかかるトランスアクスルレイアウトなど、しっかりと性能にこだわって作られたスポーツカーだったのです。

 その後ポルシェらしく年々バージョンアップしていき、ターボモデルや排気量を2.5Lに拡大した924Sも登場しました。

924よりも高性能なエンジンを搭載した「944」

 1982年に924と911の中間に位置するモデルとして登場したFRポルシェが944です。こちらも924と同じく直列4気筒エンジンと、トランスアクスルレイアウトを採用したFR。エンジンは2.5Lが最初から搭載されていました。

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 944もポルシェらしく年々進化を遂げ、ターボモデルも途中で追加されたほか、1987年に登場した944Sは911でも導入されていなかったDOHCヘッドを採用します。2.5Lの自然吸気エンジンながら当時としては高性能な最高出力190psを発生。さらに進化した944 S2では排気量が3Lにまで拡大され、最高出力211psを誇りました。

可変バルタイ採用でさらに高出力化に成功した「968」

 944の後継として1992年に登場した968。944から比べてこのモデル最大の進化ポイントはエンジンです。ブロックなど基本的な部分は944最終モデルの944 S2と同じですが、可変バルブタイミング機構ヴァリオカムを採用し、最高出力は240psを発生。ちなみにヴァリオカムは、ポルシェとして初めて市販車に採用したメカニズムでした。また、当時としては世界的に珍しかった6速トランスミッションも採用。FRポルシェの最終進化系にふさわしい仕上がりでした。

FRポルシェの歴史

 よりレーシーなクラブスポーツ(CS)やターボモデルも登場しましたが、1995年ごろに生産を終了するという、短命なモデルとなってしまいました。

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