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「テスタロッサ」が相場の2倍4000万円で落札!! これからは派手な「赤」ではなく「地味色フェラーリ」の時代がやってくる!

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2022 Courtesy of RM Sotheby's

高価落札は、コンディションとレアなボディカラーが決め手?

 RMサザビーズ「Monterey」オークションに出品されたテスタロッサは、1988年3月にマラネッロ本社工場からラインオフしたとの記録が残っている。

 フェラーリとしては極めて珍しい「マローネ・メタリッツァート(Marrone Metallizzato:メタリックブラウン)」のボディカラーは、新車として作られて以来のもの。こちらも純正の「ベージュ(Beige)」本革レザーインテリアが組み合わされている。またこの年、北米市場向けに製造されたテスタロッサの390台のうちの1台であることが分かっており、マサチューセッツ州コハセットのディーラー「オートハウス・インク」を介して米国に輸入されたという。

 最初のオーナーは、1988年5月にマサチューセッツ州ウォルポールでこの車を登録した。12年後の2000年5月の時点で、オドメーターは5065マイル。彼が走行距離を抑えていたことは明らかであろう。

 2010年、このフェラーリは「ボストン・スポーツカー」社によって売りに出され、同年2月、マサチューセッツ州メドフォードに住む2人目のオーナーが購入。そののち、2014年9月にニューヨークの「シルヴァーストーン・モーターカーズLLC」社が購入するまで、2代目オーナーのもとにあったという。その後、南フロリダの「インターナショナル・オート・グループ」に譲渡され、2014年12月15日にフロリダ州フォートローダーデールにて整備を受けたことがドキュメントに記されている。

 2015年、このテスタロッサは「第24回キャヴァリーノ・クラシック・コンコース・デレガンス(Cavallino Classic XXIV Concours d’Elegance)」でプラチナ賞を獲得。今回のオークションではその時のトロフィーも添付しての出品となった。

 同じ年に「フェラーリ・クラシケ」の認証を受け、今回の出品者である現オーナーに売却されたこの個体は、その後すぐにメキシコに輸出。2015年には、タイミングベルト交換を含む大掛かりな整備が再び行われた。過去1400マイルの走行距離の中で2回目となる大掛かりな整備は、このブロンズ色のテスタロッサが高度なケアを受けていたことを証明している。

 今回のオークション出品に際しては、車検証や専用スペアホイール、純正ツールセットが付属され、オドメーターは公式オークションカタログの作成時で6611マイル(約1万640km)を記していたという。

リザーヴなし、希少なボディカラーが功を奏した?

 RMサザビーズ北米本社は出品者である現オーナーとの協議の結果、今回の出品を「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」で行うことを決定した。

 この「リザーヴなし」という出品スタイルは、安値でも落札されてしまうリスクもある一方で、特に対面型のオークションでは確実に落札されることから会場の空気が盛り上がり、ビッド(入札)が進むというメリットもある。

 オークション初日(19日)に行われた競売ではリスクを冒した賭けが成功したのか、周囲の予想を大きく上回る30万2000ドル(邦貨換算約4130万円)という、現在のマーケットにおけるテスタロッサとしては相当な高額での落札に至った。

 コンディションはもちろん、コンクール歴を含むヒストリーも申し分なく、フェラーリ・クラシケも取得済み。条件面では極上のテスタロッサながら、ここまでの高価落札となったのは、希少かつシックなボディカラーと内装のコンビネーションも少なからず貢献していると見て、間違いないと思うのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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