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ついにEVで復活する「ハマー」! デカすぎるSUVはなぜ日本で売れまくった? 常識を打ち破った功績とは

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TEXT: 並木政孝(NAMIKI Masataka)  PHOTO: General Motors/AMW編集部

ラグジュアリーSUVとして日本でもヒット

 時代に翻弄されたハマーだが、その存在感はいまだに薄れてはいない。ハリウッドで製作されるアクション映画では、必ずと言っていいほどH1(M998)が登場する。軍用車としての存在感は秀逸で、強いアメリカを演出するには欠かせないアイコンになっているようだ。

 ちなみに、このH1にはハードトップモデルとピックアップトラックが用意され、エンジンにはGM製の5.7/6.5LのV型8気筒ディーゼルターボエンジンが搭載されていた。ボディサイズは全長4686×全幅2197×全高1955mmとなり、国産の4tトラックと同等の車幅ということになる。

 そのH1からの派生モデルとして2002年から2009年まで製造されたH2はシボレー・タホをベースとし、スタイルこそH1に酷似していたものの全長5180×全幅2180×全高2070mmと全長が伸ばされ、車幅が少しばかり縮小されているのが特徴だ。乗用車としての快適装備が与えられたことで快適性は格段に向上し、H2は軍用車ではなくフルサイズのSUVとして高い評価を得た。日本にも数多くの車両が輸入され、なかにはリムジンへと改造されたモデルがセレブ達のパーティ用、リッチな送迎車として現在も活躍している。

 ハマーシリーズのなかでもっともコンパクトなH3は、2006年から2010年まで製造され、少数ながらも日本にも輸入された。小さいと言ってもそれはH1やH2に比較してのことであり、全長4720×全幅1980×全高1910mmは大型の国産SUVと同等のレベル。巷では「ミニハマー」と呼ばれることも多かったが、ディメンションを見れば決して小さなクルマではないことがわかるはずだ。

日本人のSUVへのサイズ感を世界水準に拡大してくれた

 栄枯盛衰……。時代に翻弄されてしまったハマーだが、その功績は大きい。日本という小さな島国でもフルサイズのSUVが走れることを証明し、巨大化する国産SUVを購入しようと考えたときに「ハマーに比べれば小さいよね」という安心感を与えてくれた。日本人の既成概念を打ち破り、SUVに求める定義をワールドレベルへと押し上げてくれたハマーだが、日本国内には数多くのH2が生き残り、現役として活躍している。

 ハマーというブランドが消滅した今、新車で手に入れることは叶わぬ夢になってしまった……と嘆いていた人も多いと思うが、なんと2020年に、GMCブランドからハマーがBEV(バッテリー式電気自動車)として復活を遂げることが発表された。

 環境に配慮した新型ハマーは「ハマーEV エディション1」と呼ばれ、フレキシブルプラットフォームにEV用バッテリー「アルティウム」を搭載する。その最高出力は830psを誇りながらも、連続航行距離は300マイル(約482km)とされている。堂々としたスタイルはH1、H2のイメージを踏襲しながらも近未来を予感させるデザインとなり、世界最強のSUVとしての威厳が漂う。

 デリバリーは2023年からと予想され、約10年という空白の時を経て世に放たれる新型ハマー。その存在感はH1のデビューを越えるセンセーショナルなものであり、新たな時代を担う強きアメリカの象徴として栄華を極めるに違いない。

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