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大ヒット間違いなしのトヨタ「新型シエンタ」人気の理由を全方位からチェックします

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: トヨタ自動車/Auto Messe Web編集部

2列シート仕様はフルフラットな車中泊空間も演出できる

 前述した新型シエンタのツール感あふれるエクステリアデザインも伊達ではない。ラゲッジスペースのフロア高は505mmという極めて低い位置にあり、7人乗りの場合、開口部の高さで+15mm、ラゲッジスペースの荷室高で+20mmアップ。また5人乗りは後席のチルトダウン構造の見直しによって、格納時のシート背面高を下げたことで、荷室高は+50mmも高くなっているのだ。

 そしてフラットで大容量のラゲッジスペースは、大きな荷物、重い荷物が増えるアウトドアやキャンプなどにもうってつけとなる。とくに2列シート仕様は車中泊対応もバッチリで、なにしろ2列目シートの構造がが3列シート仕様のそれとは異なるチルトダウン方式を採用しており、低くフラットに格納するとラゲッジルームから続く平らなフロアが出現。最大荷室長は2045mmもあり(計測方法は1列目席背後が起点)、実際に身長172cmの筆者ならフロア部分に真っすぐに横になれるスペースが確保されているのである。車内をお座敷化するにしても、室内高のアップにより、さらに解放感あるリビングスペースになりうるのだ。

アウトドア派や愛犬家にも優しいのだが……

 そしてライバルにない装備として挙げられるのが天井サーキュレーターだ。ノア&ヴォクシーのように後席用エアコン吹き出し口を持たないシエンタだが、これなら2/3列シート仕様を問わず、後席の乗員も空調的に快適に乗車していられるはずである。

 そして何と言ってもライバルにはない、AC100V/1500WコンセントがHV車に4万4000円(税込)のオプションとして用意されているのもポイントが高い。この装備があることで車内外で1500Wまでの家電品が使えるため、アウトドアや車中泊で絶大なる威力と利便性を発揮。非常時にはガソリンが満タンであれば、消費電力400Wでは約5.5日分の電力が供給できるというのだから、心強いではないか。

* * *

 テレビCMには、新型シエンタの”ワンバサダー”であるミックス犬の「ちょうじゅろう君」も登場し、家族の相棒としてのシエンタをアピールしているぐらいだから、単なる実用車の域を超えた、アウトドア派、車中泊派だけでなく、愛犬家(派)にもピッタリな、より多くのユーザー層に訴えるコンパクトカーに仕上がっている。

 ただし、愛犬家が新型シエンタを手に入れる場合、クルマのサブスク、KINTOは利用できない。テレビCMやカタログに犬が大々的に登場し、ペットを含む家族の相棒がシエンタ……とアピールしているにもかかわらず、KINTOには「ごめんなさい、ペットの皆様は乗れません」との注意書き(つまりペット乗車禁止)があるのだ。愛犬と新型シエンタライフを楽しみたいなら、一般的な買い方一択となる。

2列目シートに乗車した愛犬

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  • 新型シエンタのスタイリング
  • 新型シエンタのスライドドア開口
  • 2列目シートに乗車した愛犬
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  • 青山尚暉(AOYAMA Naoki)
  • 青山尚暉(AOYAMA Naoki)
  • 学生時代からプロミュージシャンとして活動し、ある日突然自動車専門誌、輸入車専門誌の編集者に転身。その後、モータージャーナリストに。新車試乗記やクルマコラムの執筆だけでなく、1台のクルマに対して20カ所以上を独自開発ツールで計測する車両パッケージ解説にもこだわりまくる性分。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動し、愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿について情報発信。Web、専門誌、一般誌、ラジオ、TV、インターペット、キャンピングカーショーなどで「愛犬との快適安心な旅スタイル」を提言。小学館@DIME、PETomorrowなどでは愛犬とのライフスタイル、ドッグフレンドリーカー記事を展開中。カートップの連載「CT DOG」をまとめた『愛犬と乗るクルマ』はドッグフレンドリーカー選び、愛犬とのドライブ旅行のバイブルとなるムック本。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」「ムリしないで外車が買える本」「すごい海外旅行術」など。輸入車の純正ペットアクセサリーの企画、開発、デザインにも携わっている。趣味はスニーカー、バッグ、帽子の蒐集。今も音楽をいい音で聴くことにこだわり、愛車のサウンドシステムは総出力400W 10チャンネル9スピーカーで構成されるデンマークの「DYNAUDIO」。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~)。
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