バーチャルからリアルへ! eスポーツ大会を主催するSPKがゲームと同じロードスターで実車レースに挑む (1/2ページ)

バーチャルからリアルへ! eスポーツ大会を主催するSPKがゲームと同じロードスターで実車レースに挑む

バーチャルだけじゃなくリアルなレースにも参戦開始

 自動車部品やモータースポーツ部品を手がける「SPK」はeスポーツ事業に力を入れており、モータースポーツの振興につなげようとしている。そして2022年の今シーズンからは、いよいよ“バーチャル”に加えて“リアル”の世界にも本格的に進出開始。eスポーツ大会に参戦したマシンと同じカラーリングのマツダ・ロードスターに、eスポーツと同一のドライバーを起用するというユニークなパッケージで、パーティレース東日本シリーズへの参戦している。

参戦マシンはもちろんバーチャルと同じカラーリング

 今や世界では、バーチャルのeスポーツ出身者が実車を使ったリアルのレースシーンでも目覚ましい活躍を見せている。もちろん日本でも数名のプレーヤーが、スーパーGTなどへのステップアップを実現。すでにバーチャルの領域で成果を挙げたSPKもその道筋を作れないかと模索した結果、「ロードスター・パーティレースIII」に白羽の矢を立てた。

 このパーティレースは、今年で20周年を迎える人気のJAF公認ナンバー付きワンメイクレース。さらに、SPK e-SPORT Racing所属の中島優太監督・菅原達也選手の二名がリアルレースである「パーティレース」への参戦経験があるという事情も重なった。

 そこで2名のうち、菅原選手をリアルのレースでもドライバーとして起用。マシンはTCR JAPAN所有の1台をSPKのワークスカーとして新たにメイキングしている。ご覧の通り、eスポーツのマシンと同じカラーリングを施した、105号車の実車が誕生した。つまりeスポーツと同じカラーリングのロードスターに、同一のドライバーでの参戦を実現したのだ。バーチャルとリアルの融合にトコトンこだわったところが、このチームの最大の注目ポイントだろう。

菅原達也選手画像はこちら

実走行はほぼ皆無ながら驚くべき速さを見せつける

 今年4月に社会人となったばかりの菅原選手は25歳。eスポーツレーサーとしては実績十分で、SPKチームでもエースのひとりだ。ただ、小学生時代からカートに乗っていたというキャリアの持ち主も多いリアルの世界では、遅咲きの部類に入る。リアルへの初参戦は2020年10月で、それまでのサーキット走行経験はわずかに3回程度。でも逆の見方をすれば、eスポーツレーサーがリアルの世界に飛び込んで、果たしてどこまで活躍できるかのモデルケースとして、彼は最適な存在とも言える。

 今シーズンの参戦予定は茨城県の筑波サーキットで開催される東日本NDシリーズの全4戦。すでに3戦が終了し、残すは10月30日(土)の最終戦のみだ。結果から先に言うと、初戦は予選7位から決勝は5位にジャンプアップ。第2戦は予選・決勝とも4位を獲得している。9月3日(土)に開催された第3戦では、予選でトップタイムを記録し、見事ポールポジションを獲得。決勝では惜しくも3位となり、初表彰台は少し悔しい結果となった。

 一方、SPK e-SPORT Racing所属の中島選手は、この第3戦NCクラスにて、見事ポールトゥウィンで初優勝を飾った。

中島選手
画像はこちら 第3戦NCクラスにて優勝した中島選手

 菅原選手はプライベート参戦だった昨年から参加したシリーズ6戦で入賞(JAF規定により、決勝の出走が12台以上なら6位まで)を継続中というのは、大健闘と言える。筑波サーキットで行われるこの東日本NDシリーズは、パーティレース発祥の地として、経験豊富な実力者たちが目白押しだからだ。ただ菅原選手はもちろん、彼を支えるチームの目標はもっと高いところにある。

 菅原選手は「まず何より、このような素晴らしい環境を用意してくださったことに感謝します。ただレースは、バーチャルであってもリアルであっても、結果がすべての世界。最終戦では、必ず良い報告をさせていただきます」と誓った。

 このレースでかつて連戦連勝を誇り、現在はインストラクターも務めているTCR-JAPANの加藤彰彬代表も「バーチャルからの移行で一番の違いとして、タイヤのグリップ感があります。その点でパーティレースの指定タイヤはハードルが比較的低いことも、今回の参戦カテゴリー選択での決め手になっています。もちろん菅原選手にはリアルアスリートとしてのトレーニングなど課題はありますが、すでに優勝できる力はあります。eスポーツレーサーの未来のためにも期待しています」とエールを送っている。