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走り重視のピストン逆立ちの「倒立」/コスパ最高の「複筒」の意味するものは? 車高調の種類を3分で解説します

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AUTO MESSE WEB

  • いろいろな車高調

  • 正立式と倒立式の違い
  • いろいろな車高調

車高調は車種や仕様に合わせてさまざまな仕様がある

 細かくセッティングする走り系のユーザーはもちろん、ドレスアップでも定番のアイテムと化している車高調整式サスペンション、通称「車高調」。おもな機能は文字どおり車高を調整することだが、ダンパーの構造やスプリングの構成は多種多様で、特性だけではなく価格にも大きな違いがあるので簡単に解説しよう。

「ネジ式」と「全長調整式」が存在

 例えば車高を調整する方法だけでもふたつ。ひとつはオーソドックスな「ネジ式」で、ロアシートと呼ばれるパーツを上下させ、スプリングの取り付け位置を変えることで車高を調整するタイプ。もうひとつは「全長調整式」でダンパー自体の長さを変え、ストローク量を変化させないままローダウンすることが可能である。だが、ネジ式より高価でセッティングにもノウハウがいる。

ダンパー自体にも種類が多くある

 続いてはダンパーの種類について。シェルケースのなかにダンパーを入れる「カートリッジ式」は、抜けてもメーカーに送ってオーバーホールする必要がなく、新品のダンパーと入れ替えるだけと手軽なのがメリットだ。

 いっぽう「分解組み立て式」は、シェルケースの内部に直でダンパーのパーツを組み込み、カートリッジ式よりオイルの量を多くできるので劣化や発熱に対して強いこと、そして径の大きいピストンバルブが使えることなどがメリットとして挙げられる。

 ダンパー本体も「単筒式」と「複筒式」のふたつに分けることができ、単筒式はオイル量が多くピストンバルブも大きくできるため、熱に強く長時間にわたって安定した性能を発揮することが可能。いっぽう複筒式はストローク量を確保しやすく、製造コストが安くできるなどの利点があり、目的や予算を考えたうえで使い分けたい。

減衰力の調整方法やダンパーの取り付け方などもさまざま

 次はダンパーの取り付け方。ロッドが上向きになるのを「正立式」と呼び、おもなメリットは低コストや省スペースなどだ。それに対しロッドを下に向かせるのが「倒立式」で、シリンダー容量が大きくサスペンション剛性も高い。そのためコンパクトカーやコスト重視のクルマには正立式、走り重視のスポーツカーには倒立式が使われることが多い。

正立式と倒立式の違い

 減衰力の調整も伸び/縮みを同時に行う一般的なダンパーだけではなく、伸びと縮みを個別に調整する「2ウェイ」や、さらに低速域と高速域を分ける「3ウェイ」や「4ウェイ」といった高性能なダンパーも存在する。ただし調整する箇所が多いほどセッティングは難しくなり、上級者でなければ使いこなせない可能性が高い。

 また、サブタンクを備えた「別タンク式」もある。ショートストロークのダンパーでも外部にタンクを設けることで容量を稼ぎ、減衰力の安定性と耐久性を高めつつローダウンもしやすいと良いことづくめ。ただし価格が高くなるのは致しかたなく、上級者に向けたアイテムと考えていいだろう。

 スプリングも直巻きもしくは樽型の形状に加えて、レートや自由長による違い、ローダウン時の遊びをなくしたりストロークを確保するヘルパースプリング、自由長が短いメインスプリングを2個または3個と重ねた製品も存在する。

* * *

 同じ「車高調」と呼ばれる製品でもこれだけの違いがあるので、購入するときはプロショップとよく相談し自分に合ったモノを選ぼう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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