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「チンクエチェント」と僕は期待を裏切らない。道路脇でレッカーを待つのも慣れました【週刊チンクエチェントVol.06】

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TEXT: 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)  PHOTO: 嶋田智之

日本はホントに美しい。美しいんだけど……

名古屋の「チンクエチェント博物館」が所有するターコイズブルーのフィアット「500L」(1970年式)を、自動車ライターの嶋田智之氏が日々のアシとして長期レポートする「週刊チンクエチェント」。第6回は「チンクエチェントと僕は期待を裏切らない」をお届けします。

メーター読み70km/hぐらいがちょうどいい、のだけど……

日本というのは本当に美しい国だと思う。だって、空がこんなにも赤く染まるのだ。そして「赤」にも何十種類もあって、それぞれに名前がついていたりもする。これはさながら銀朱と朱華、鴇色、珊瑚朱、丹色、赤橙、紅緋あたりのグラデーション、といえばいいのだろうか? しかも大袈裟でも何でもなく、その比率や濃淡が刻々と変化していく。1分前の空は、もうどこにもない。

1泊2日出張の帰り道。さしかかったサービスエリアにクルマを停め、コーヒーを買って戻ってみると、そんなふうなドラマティックな光景が不意に目に飛び込んできて、僕は思わずiPhoneで写真を撮った。ちょっとした展望台のようなところへの階段を登り、そこから暗くなってしばらくするまで、ずっと眺めたり写真を撮ったりしていた。そりゃ写真、当たり前に撮るでしょ。撮るよね?

僕はどこか嬉しいような気持ちになって、「この国に生まれて良かった」みたいなことを思いながらシートに座り、スターターレバーを引っ張ってエンジンに火を入れて、再び高速道路の最も左のレーンへと滑り込む。メーター読み70km/hぐらいだとGPSでは80km/hぐらい。そのあたりをキープしながらゆっくりとクルージングすること1時間少々。

……停まっちゃった。このクルマとつきあうようになってから4回目だったか5回目だったかの、レッカー待ちである。

そんなわけで今は2023年6月5日の午前1時半、つまり今日である。モロモロの手配を終わらせた後にようやく見つけることができた安ホテルの部屋に、僕はやっとの思いで辿り着いた。で、iPhoneでこれをしたためている。出張に出てる間には原稿書きなんてする時間がないのはわかっていたため、パソコンを持ってきてないからだ。日曜の夜に自宅に戻ったらもう一度整え直して送ろうと考えてた今日公開予定だったこの「週刊チンクエチェント」用の原稿と選んである写真は、そのパソコンの中にある。つまり、担当編集のハナヂくんに送ることができない。手も足も出ない。

なので、今日の予定だった内容は次回に送ることにして、今回は「皆っすわーん! また新しいネタが生まれましたー!」という報告である。事実上はスゴロクでいうところの「1回休み」のお知らせ、みたいなものだけど。第0回の文中に僕は「今と過去を行きつ戻りつしながら」進めていくようなことを記した記憶がある。それはこういうこともあるだろうと予想してのことだったのだ。

チンクエチェントと僕は、いろんな意味で皆さんの期待を裏切らない。あはっ……あはははは……ちっ!

【お詫び】
最後まで当連載を読んでいただいた親愛なるAMW読者の皆様(と嶋田さんのファンの方々)、本文にあるとおり今回は進展がございません。次週を楽しみにお待ち下さい。(AMW編集長西山)

■「週刊チンクエチェント」連載記事一覧はこちら

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  • 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)
  • 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)
  • 『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー雑誌の『ROSSO』やフェラーリ専門誌『Scuderia』の総編集長を歴任した後に独立。クルマとヒトを柱に据え、2011年からフリーランスのライター、エディターとして活動を開始。自動車専門誌、一般誌、Webなどに寄稿するとともに、イベントやラジオ番組などではトークのゲストとして、クルマの楽しさを、ときにマニアックに、ときに解りやすく語る。走らせたことのある車種の多さでは自動車メディア業界でも屈指の存在であり、また欧州を中心とした海外取材の経験も豊富。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
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