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なぜ運転中はドアを施錠する? ドアロックは防犯や安全面からメリットしかない…『交通の方法に関する教則』でも推奨されてました

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AMW

  • 運転中はドアロックをしていたほうがいい
  • 運転席側ドアのロック操作だけで、他のドアのロックも連動する機能が集中ドアロック
  • 小さい子どもがイタズラでドアを開けてしまうような、ひとつ間違えば大きな事故に繋がるトラブルも予防できる
  • ほとんどのクルマが集中ドアロックを採用している
  • 車速と連動するドアロックはギアをPレンジに入れると自動で解除されることが多い
  • ドライバー以外が乗り降りするときロックを解除する程度は、面倒くさがるほどの手間ではないしメリットのほうが大きい

ドアロックはメリットしかない

クルマを運転するときドアを施錠するかしないか。防犯を兼ねて必ずロックする人もいれば、面倒だからあえてしない人もいることでしょう。クルマによっては車速と連動してロックされる機構を搭載し、自分の意志とは関係なく自動で施錠されることもあります。どちらが正解なのか、それぞれのメリット、そしてデメリットを考察してみます。

さまざまなトラブルを予防できる

まずロックする派の意見でもっとも多いと思われるのが、信号待ちの間にドアを開けられて強盗などの被害に遭う、または他車とのトラブルに巻き込まれるのを防ぐためだ。海外の治安がよくない地域の場合、クルマを狙った強盗は珍しくなく、近年は日本でも昔のような安全神話が通用するとは言えない状況で、犯罪から自分や同乗者を守る策を講じておくに越したことはない。

最近よく報道される、煽り運転でクルマを強制的に停止させられるような場合も有効で、直接的な暴力ではなく助手席や後席のカバンを持ち去られるような窃盗に対しても有効だ。さらに小さい子どもがイタズラでドアを開けてしまうような、ひとつ間違えば大きな事故に繋がるトラブルも予防できる。

走行中はドアの施錠が推奨されている?

いっぽうロックしない理由は「面倒だから」が大半だ。冒頭で書いた車速と連動するドアロックはギアをPレンジに入れると自動で解除されることが多いが、短時間での乗り降りなどDレンジに入れたままドアを開けるときは手動での解除が必要になってしまう。

もうひとつは事故や急病といった自力でドアを開けられないとき、救出までに時間がかかってしまうのではないかという不安だ。相手がガラスを割るレスキュー用のハンマーを持っているとは限らないし、他人の財産であるクルマの窓を叩き割るのは誰もが躊躇するに違いない。

ちなみに運転免許を取得したときや更新のときに配布され、誰もが一度は読んでいる『交通の方法に関する教則』には、第5章第1節1(2)で「ドアをロックし、同乗者がドアを不用意に開けたりしたにように注意しなければなりません」と記載されている。

つまり走行中はドアの施錠が推奨されているというわけだ。たしかに集中ドアロックすら標準装備じゃなかった時代であれば、クルマに乗り込んでから助手席や後席をいちいち施錠するのは、結構な手間であり面倒な気持ちも十分すぎるほど理解できる。

とはいえ現在はほとんどのクルマが集中ドアロックを採用しており、以前と比較すれば煩雑さはだいぶ解消されたと考えていいだろう。また近年の車速連動のドアロックは外部からの救出を想定し、事故などで強い衝撃を感知すると自動でロックが解除される。

昔は融通の効かない部分もあった運転中のドアロックだが、技術の進化により今やデメリットは何もないといっていい。それどころか窃盗や暴力といった犯罪から身を守れるならば、ドライバー以外が乗り降りするときロックを解除する程度は、面倒くさがるほどの手間ではないしメリットのほうが大きい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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