加速車線でしっかりとスピードを上げる
誰もが教習所で経験しているにもかかわらず、苦手と感じている人も多い高速道路での合流。インターチェンジやサービスエリアまたはパーキングエリア、そしてジャンクションから適度に加速して本線へ合流する。言葉にするとたったこれだけですが、難しいと感じる人も多いようです。
中途半端な速度は危険を招く
実際には本線へ移るタイミングがつかめずブレーキを踏み、合流後にノロノロ走って交通の流れを乱すケースが多く見られる。本線を走るドライバーをイライラさせ、接触などによる事故を招かないためにも、正しい合流のコツを身に付けておきたい。
もっとも大切なのは「加速車線」の使い方だ。加速車線とは本線へ合流するために設けられた、文字どおりクルマを加速させるための区間を指す。道路交通法の第75条の7では、
「自動車は、本線車道に入ろうとする場合において、加速車線が設けられているときは、その加速車線を通行しなければならない」
と定められている。
本線を走行するクルマとの速度差を縮め、スムーズに合流させるための車線であり、素早くスピードを上げることが重要だ。よく見るのは加速が足りず本線との速度差が大きいまま合流し、後続車が追突を避けようと車線変更を余儀なくされるケース。短い距離でスピードを上げることに対する恐怖心から、加速をためらってしまう心理も理解できなくはないが、中途半端な速度は逆に危険を招くと覚えておきたい。
目視でチェックする習慣を身に付ける
ではスムーズな合流の手順を解説しよう。
前方に同じく高速道路の本線へ合流しようとするクルマがいるときは、追突などの危険が生じないよう十分な車間距離を保ったうえで加速する。続いてウインカーを出して合流の意思を周囲に伝え、加速しつつサイドミラーで本線の交通状況を確認する。クルマがいなければ速度を上げつつ急ハンドルを避けて合流、後方にクルマがいればどのタイミングで合流するかを決め、そのクルマに付いていけるようにスピードを調整して合流。実際に本線へ移る前にはミラーの死角にクルマやバイクが潜んでいないか、目視でチェックする習慣を身に付ければ事故の可能性はさらに低くなる。
なお道路交通法の第76条の6では、
「自動車(緊急自動車を除く)は、本線車道に入ろうとする場合(本線車道から他の本線車道に入ろうとする場合にあっては、道路標識等により指定された本線車道に入ろうとする場合に限る)において、当該本線車道を通行する自動車があるときは、当該自動車の進行妨害をしてはならない」
と、高速道路に限らず合流するときはあくまでも本線を走っているクルマが優先だと覚えておこう。以上のように合流を苦手だと感じるのは「加速車線でスピードを上げきれない」こと、および「目標とするクルマを決められない」ことのふたつが主な理由と考えていい。
また自分が本線を走っており加速車線から合流しようとするクルマがいるときは、加速や減速は控えスピードを一定に保ち、スムーズに合流してもらえるような運転を。前に入られたくないからといって無理に加速すれば、相手が急ブレーキや急ハンドルで姿勢を乱したり、意地になって加速し事故やトラブルを起こしかねない。する側もされる側も気持ちと操作に余裕を持ち、安全でスムーズな合流を心がけよう。








































