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ドイツでの自転車の流行は「ラステンラート」! 高額な自転車がバンバン売れている事情とは?「f.re.e 2025」でトレンド大調査【みどり独乙通信】

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TEXT: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  PHOTO: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)

  • 「f.re.e 2025」会場の入口
  • 会場入口すぐに子どもを預けられるコーナーがありました。メッセ内は物すごい人混みなので、子どもたちがゆっくり遊べる場があるのは安心ですね
  • ちびっこの自転車試走コーナー
  • 急高配の大人用自転車試走コース
  • ハーキュリーズはひと昔前までドイツのママチャリメーカーだった記憶がありますが、いまやオシャレな電動自転車も作っているようです
  • 会場ではギアの整備や修理のレクチャーもしていました
  • スイスのメーカー。ベースの自転車を買うと、さまざまななバリエーションに組み合わせられるそうです
  • スイス発・台湾製メーカーのラステンラート。後部座席の子どもはシートベルトなしで掴まるタイプ。別売りでチャイルドシートもあり
  • 最近のオシャレなタイプではなく、元祖ドイツの牽引タイプの子どもや荷物を運べるもの。雨の日も安心ですね
  • ラステンラートにはさまざまなタイプがあります
  • ラステンラートは市内のちょっとしたデリバリー用にも便利そうですね
  • いろいろな自転車があり過ぎて、どれを見て良いのか分からなくなってしまいそうです
  • 漕がなくても良い自転車なのでしょうか? それともキックしながら走るのかしら?
  • 髙そうな自転車ばかり
  • さまざまなパーツ類もお買い得に購入できるのもイベントの魅力
  • 会場ではあちらこちらで掘り出し物のワゴンコーナーがあって魅力的
  • 自転車に乗るときのサングラスやウェア類も会場価格で少しお買い得
  • 自転車用安全ウェアも販売されています
  • バイエルン州が発行する州内の自転車道マップをいただきました
  • ビールとお肉のポスターに食欲がわきます。会場内にはさまざまな軽食コーナーがあります
  • 最近ドイツの都市部で流行りのラステンラート
  • ドイツ人の人気レジャーのひとつである自転車は、高価なものを所有している方も多くおられます

「f.re.e 2025」で発見した自転車のトレンドとは

2025年2月18日~2月22日にドイツ・ミュンヘンで開催されたレジャーと旅行の見本市「f.re.e 2025」。現地在住の池ノ内みどりさんが会場を訪れると、そこにはなぜか高級自転車がずらりと展示されていました。高額ながらもお買い物や近場レジャーに大人気の理由を探ってみました。

自転車やレジャー用品が大集合したイベントに潜入

何度か積雪があったものの、予想以上に暖冬だった2月のミュンヘンです。これからの観光シーズンに向けて、ミュンヘンのメッセで開催された「f.re.e 2025」というイベントに行ってきました。とくに下調べをせず、ブラブラして2時間程で帰宅するつもりで軽い気持ちで行ってみたのが大間違いでした。

まず到着をしてすぐにメディアセンターへ行き、上着や荷物を預けて身軽に。そして、飲み物とドーナツやチョコレートのおやつをいただいてひと休憩。自宅からメッセまでは自走で約20分で到着しますが、地下鉄を乗り継いで行くと乗り換えを含めて約1時間かかりますので、ちょっとした遠足に来たような気分です。メディアセンターはIAA モビリティの開催時のようにごった返しておらず、ゆったり広々と利用できました。

今回訪れたこのイベントはアクティビティ用のありとあらゆる自転車や登山、ハイキング、ウォータースポーツ、キャンプをはじめとしたさまざまなレジャーの提案やショップが並んでいました。最初のホールにはずらりと自転車が並んでいます。日頃はママチャリで移動するので、自転車にももちろん興味があります。

しかし……並んでいるのはどれもこれも高級自転車ばかり。ものによっては日本の軽自動車の新車が購入できそうな価格です。人気は電動アシスト付き自転車のようです。ミュンヘン市ではEV(電気自動車)の購入補助金がすでに打ち切られていますが、その代わりに電動アシスト付き自転車の補助金などが登場したおかげで、非常に高額ながらも補助金によって少しお得に購入できるようです。

台湾製の自転車が人気沸騰中

ここ数年、ドイツで大流行りの「ラステンラート」という荷物やお子さんを載せられる大きな荷台付きの電動アシスト付き自転車が数多く展示販売されていました。幼い子どもが2人並んで座れるようなタイプもあり、お子さんをお持ちのご家族に都市部で大急増しているママ/パパチャリです。保育園や幼稚園、小学校の送り迎え、お買い物や近場レジャーに大人気なのです。しかし、とにかくデカく幅広なので、狭い自転車道で後ろから迫られると困りますし、逆にノロノロ運転の方だとなかなか抜かせず困ります。

お店の方にうかがうと、最高時速は25km/hと法律で決まっているそうですが、45km/hタイプのものもあり、それにはナンバー登録が必要とのことでした。ここ最近のブームで非常に高価にもかかわらずかなりの勢いで売れ、リースも可能とのこと。子ども用シートを取り外して違う別売りパーツを付けると大きな荷台となりますので、お買い物にも対応が可能です。

創業者は、スイス人ながらドイツ育ち。その後アメリカに移住され、世界を股にかけて自転車ビジネスを行っているそうです。このメーカーの自転車はスイス製ではなく、台湾製。クオリティはとても良いのですが、金額が金額なだけにヨーロッパ製を望む顧客も多いのだとか。ヨーロッパに製造拠点を置くとなると、高い人件費やパーツの資材などの観点から現時点では採算が合わないとおっしゃっていました。

高額な自転車ばかりでカルチャーショック

台湾製は当然ながらクオリティに問題はまったくないものの、いまやヨーロッパまでの高額の輸送費がネックになっているそうです。旅客機の運賃も同様の問題になっていますが、コロナ禍やウクライナとロシアの戦争を機に一気にカーゴの運賃も値上がりしましたので、自転車屋さんらも困っておられるようです。

ほかにも自転車用のパーツ、グッズやジャケット、ヘルメットにチェーンなど、さまざまなものが展示、販売されていて、イベント価格でお買い得になっていました。私が乗っているような日本製のママチャリは1台も展示されておらず、どれもこれもが桁違いな価格に、ある意味カルチャーショックを受けました。私の住むアパートの地下駐車場でも、自転車1台のためにガレージを借りておられる方の必要性が分かりました。

>>>ドイツ在住池ノ内みどりさんのクルマにまつわるコラムはこちら

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  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • ドイツ ミュンヘン市在住 フリーライター&コーディネーター。東京で学生生活を謳歌した後にオーストリアのザルツブルグで再び学生生活を謳歌し、なんとか卒業。三度目の学生生活を謳歌しにミュンヘン大学入学を機にドイツへ。ミュンヘン大学在学中の現地広告代理店でのアルバイトがきっかけで、モータースポーツに魅せられて大学を中退し、モータースポーツ業界へ飛び込む。愛車のBMW M240iカブリオレを駆り、ヨーロッパ各国のサーキットへ取材に向かう。趣味はアルプスの峠越えドライブと蚤の市めぐり。好きなサーキットはニュルブルクリンクとスパ・フランコルシャン。ヨーロッパ生活はもう少しで30年。
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