物価高に苦しむドイツの自動車事情
ドイツでは日本と同様にさまざまな物価高騰が続いています。自動車も値上がりが続き、長年ドイツで販売台数1位を誇るフォルクスワーゲン「ゴルフ」を例に10年前と現在の価格を比較してみると、驚きの結果に。ドイツの自動車価格について解説します。
7年目の愛車、そろそろ買い替えの次期?
キリスト教の国々は2月末からのカーニバルを控え、街が装飾されて祭りムードです。ドイツ国内でも地方によってカーニバルの呼び方が違い、私の住む南ドイツではカーニバルのことを「ファッシング」と呼んでいます。毎年その期間は保育園や幼稚園、小学校だけではなく、街中で仮装した人々であふれます。
お店の店員さんが仮装されている場合もあるんですよ。しかし、街を歩いていると何かよく分からない液体や粉をかけられることもあるので要注意です。規制強化される前の渋谷のハロウィンがドイツ各地で繰り広げられているような感じでしょうか。
ところで、みなさんは大体どれくらいのスパンで愛車を買い替えていますか? 私の愛車は2025年で7年目を迎えます。とくに故障も不具合もありませんが、買い替えられるものならそろそろ……と思いたいところです。しかし、新車価格はとんでもなく高騰し、それにともない中古車価格もかなり高くなっているので、残念ながらまだしばらくはこのまま手放さずに乗り続けることになりそうです。
元から新車は視野に入れていないとはいえ、買えるものならいつかは新車をオーダーしてみたいものです。オンラインの中古車サイトをざっと見た感じでは、中古車価格が高騰しているおかげと私の愛車には後継モデルが製造されないということもあり、7年落ちでも思ったよりも値が付きそうですが、買い替えるには厳しいところです。
2023年にインゴルシュタットにあるアウディの本社ロビーに展示されていた真っ赤な「TTロードスター」がカッコよすぎてずっと気になっていたのですが……。中古車になってもやはり高く、5万~6万ユーロ(約800万円~約960万円)の間を現在もキープしているようで、とてもじゃないですけど手が出ません。
VWゴルフはドイツでは新車価格が10年で約1.6倍の爆上がり
ちょうど10年ほど前に長~いペーパードライバー歴から卒業すべく、ドイツで自動車教習所のペーパードライバー講習に通っていたこともあり、その頃によくチェックしていた新車や中古車価格がなんとなく頭にありました。統計によると、2013年のドイツの平均新車価格は2万7030ユーロ、平均中古車価格は9420ユーロだったそうです。
しかもその年のユーロは今よりもずっと安くて114~120円台ですから、当時の1ユーロ120円で計算すると、平均新車価格は約325万円でした。当時は今に比べると新車も随分と安かったのだな、と思ってしまいます。それが2024年は新車が4万3530ユーロ(現在レートで約700万円)、中古車は1万8600ユーロ(同・約300万円)。たった10年程でとんでもない値上がりをしました。
長年ドイツで販売台数1位を誇るフォルクスワーゲン「ゴルフ」を例にとっても、その値上げ率に驚きを隠せません。2004年のゴルフ5の一番廉価モデルの価格は1万5520ユーロ。2014年のゴルフ7は1万7325ユーロで、そして2024年のゴルフ8は2万8330ユーロ(現在レートで約453万円)! ゴルフ7が発表となった際にはすごく値上がりした気分がしていましたが、ゴルフ8はその比ではないですね。この先もさらに値上がりしていくのでしょうか。

コロナ禍やウクライナの戦争を挟んでチップ類やパーツ、梱包材等の値上がり、エネルギー価格の高騰、インフレなどさまざまな悪影響が重なり、自動車だけではなくさまざまな物価にも影響を与えていて日々の生活費には困惑しっぱなしです。ローンでの支払いはないとはいえ、自動車保険や点検費用に自動車税に超高額のガソリン代……。今の愛車を維持するだけでも精一杯という日々が悲しい現実です。









































