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バイオリン型のウッド振動板がカッコイイ木製スピーカー!じつはCO2削減を実現する環境も考慮した製品だ

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)

CO2吸収量の減った木を切って製作

帰宅してから名刺を眺めてみると何と説明してくれた方は出展社、ヤマト建設の社長さんだった。そこで今度は会場では聞けなかったあれやこれやを調べてみた。そもそものきっかけは、長野県出身の早出正さんという方が、和歌山県に移住。趣味がオーディオ鑑賞であったことから、紀州産のヒノキやスギを振動板にしたスピーカー作りに取り組んでいたそうである。

しかし、木を薄く削るのが難しかったことから、つてを頼ってヤマト建設に行き着き、共同でスピーカー作りを始めたとのこと。早出さんはこの開発でスピーカー装置の特許を取得している。一方のヤマト建設はヒノキを使ったエンクロージャー(筐体)の意匠登録していて、まさにウィンウィンの関係でこのスピーカーができあがっている。

ちなみに木の振動板が奏でるのはミッドレンジの音域で、ウーファーやツイーターなどは既存のスピーカーを使っているとのこと(展示されたサンプルはパイオニア製だった)。そしてここからが大事になるのだが、ヤマト建設は和歌山県田辺市の龍神村森林組合に属している。ここは昔から林業が盛んで、昭和40年代頃から質の良さが注目されるようになった「龍神材」ブランドを守り、龍神村の林業を支えてきたのだ。

木はCO2を吸収してくれる。しかし大きくなった木はその吸収量が減るそうだ。そんなCO2吸収量の減った木を切って、新しい若い木と入れ替える。その切った木を使ってこのスピーカーを作ることで、まさにCO2の削減に効果を発揮する。元々長いスパンで見ると、木を育てて伐って、使って植えるを繰り返すという循環型の業種であるから、今さらSDGsなど、言われなくてもやっているということである。

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  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
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