一般道と高速道路の避難手順の基本は同じ!まずは安全にクルマを停める
2025年9月30日にフィリピン・セブ島でマグニチュード7.0の地震が発生するなど、大規模な地震は突然起こります。もしも運転中に地震に遭遇したら、どのように行動すべきでしょうか。揺れを感じにくいクルマの特性を理解し、自分の身を守るためにも一般道と高速道路での安全な停車や避難の方法を知っておくことは非常に大切です。
運転中は地震発生を体感では判断しにくい
まず知っておくべきは、運転中は比較的地震の揺れに気が付きにくいということだ。
気象庁が作成した震度階級関連解説表を見ると、「自動車を運転していて、地震の揺れに気付く人がいる」のは震度4からとされている。震度4は、電線が大きく揺れ、じっとしている人ならほとんどの人が驚くレベルだ。
クルマの場合、タイヤやサスペンションなどが揺れを吸収する機能があるうえ、走行中は常に車体が揺れているため、地震の揺れに気づきにくい傾向がある。それゆえ地震発生を知るには、スマートフォンの緊急地震速報やラジオなどからのニュース、そして電線や信号機、看板などの揺れ具合といった周囲からの情報が頼りとなる。
しかし、震度5弱になると電柱が揺れるのが目視でもはっきりと分かり、道路に被害が生じる可能性もある。震度5強になると、自動販売機が倒れてきたり、クルマの運転が困難になる。
「一般道」で地震に遭遇したときの対応手順
地震による揺れを感じたら、まずは次の3項目を実行してほしい。
1)安全な場所に停車:ハザードランプを点滅させながら慌てずにクルマを停止させる。急ハンドル、急ブレーキを避けて、徐々にスピードを落とし、まずは道路の左側に停車させることが第一である。
2)情報収集:クルマを停止させたら、スマートフォンやカーラジオで地震情報や交通情報を確認。さらに周囲の状況を確認する。慌てて車外に出ると、ほかのクルマにはねられたり、落下物などの被害に遭うこともあるため、深呼吸して落ち着くことが肝心だ。
3)危険区域からの移動:海岸線や橋の上、河岸や斜面の下、トンネルの出入り口付近は、津波や崩落の危険があるため、速やかに移動すべきである。移動手段を基本は徒歩。
「高速道路」で地震に遭遇したときの対応手順
高速道路でも、対処法は基本的に同じだ。
1)左側への停車:揺れを感じたらハンドルをしっかり握り、前後のクルマに注意しながら徐々にスピードを落とし、道路の左側に停車させる。
2)中央の確保:左側に駐車できない場合は右側にクルマを寄せ、警察、消防などの緊急車両が通行できるよう道路の中央部を空けておくこと。
3)停車場所の選定:停車する際は、大きく山を削った斜面の下やトンネルの出入り口付近は崩落の危険があるため、そのような場所はなるべく避けるべきだ。
4)待機と情報収集:停車したらエンジンを切り、揺れが収まるまでは車外に出ず、スマートフォンやカーラジオから情報を入手する。
5)警察などの指示に従う:揺れが収まったら、パトロールカーなどが広報しながら巡回するまでそのまま待機し、その指示に従うべきだ。
6)避難:パーキングエリアやサービスエリアにいるときに強い地震が発生した場合は、係員の避難誘導に従う。本線上でも、高速道路には約1kmごとに非常口が設けられており、ここから徒歩で地上に脱出することも可能である。
ちなみに高速道路では、計測震度4.5(震度5弱に相当)以上で通行止めとなり、道路の点検が行なわれることになっている。
避難時の対応と注意点
警察庁は、大きな地震が発生した際、津波から避難するためやむを得ない場合を除き、避難のためにクルマを使用しないよう指示している。原則として、地震直後のクルマでの移動は避けるべきだ。
一方で、津波発生のリスクがある場合、海岸線や橋の上、河岸などからは、なるべく速やかに高い場所へ避難する必要がある。状況次第では、クルマを置いて徒歩で避難した方が良いケースがあるため、まずは冷静な以下のような判断が求められる。
- キーは付けたままにする。
- ドアをロックしない。
- 窓は閉めておく。
- 連絡先を見えるところに書き残す。
- 車検証などの貴重品は持ち出す。
クルマを置いて避難するときは、避難後の緊急車両の通行や移動を妨げないようにしたい。














































