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障がいがあってもバイクに乗れる体験走行会!市販直前の悪路も移動できる新型車いすが登場

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)

  • 視覚障がいの方には、まっすぐ走ることをまず最初の課題としている。ボランティアスタッフからも「目をつぶってバイクで走れと言われても無理~」とも声が上がる
  • 好天に恵まれ、ちょうどよいバイク日和となったこの日も無事に転倒者も、事故もなく体験走行会が終了している
  • 車いすでも海へ行ける、をテーマに開発がすすめられたクローラーモデル。砂浜に降りて行ったり、ちょっとした登山にも、健常者といっしょに行けることがコンセプト
  • ありそうでなかったクローラー車いす。キモとなるクローラーは幅も長さもコンパクトだが、きっちり駆動力を発揮する
  • 操作系はすべてこのスティックコントローラーユニットで完結する
  • 自動車用12Vバッテリーサイズよりひとまわり小さいリチウムイオンバッテリーを搭載。8時間ほどの駆動を実現
  • 転倒防止バーが前後に装着されており、安全性にも配慮されている
  • ちなみに搬送ロボットは、みかん農場などでの果実の運搬を担うイメージのモデルとなっているが、この車両も車いすユーザー視点によるニーズの確認なども行っていた
  • この日の「パラモトライダー体験走行会」には、乗車をする5名以外に、50名強のスタッフが集結した
  • 補助輪はそのアウトリガーの角度によって3タイプが用意され、走行を確認して、より浮いた状態のアウトリガーに交換して走行を重ねていく
  • ボランティアスタッフは、何かあった際にすぐに支えることができるよう常に走行する車両に寄り添う形で一緒に走る
  • ボランティアスタッフも多くもこのクローラー車いすに乗車。教習所のコースを実際に走行して使い心地を確認していた
  • 走行プログラム自体は、バイクを操ることができるのか、を確認しながら進行していく。補助輪を使ってバイクを傾けた状態から走行スタートができるか、といった高度なテクニックも

障がいに合わせバイクをカスタムして走行

バイクシーズンも終盤を迎えた2025年12月1日(月)、過ごしやすい気候のなか、埼玉県上尾市にあるファインモータースクール上尾校にて「パラモトライダー体験走行会」が開催されました。主催するのは公益社団法人サイドスタンドプロジェクト(以下SSP)です。この走行会は、障がいを持つ方を対象に、バイクを操る体験の機会を提供しているイベントです。

すべての人にバイクを楽しむ機会が開かれている

SSPは、1997年からWGP(世界ロードレース選手権・現MotoGP)へフル参戦を開始した青木拓磨選手の事故をきっかけに発足した団体です。青木拓磨選手は翌1998年のシーズン前テスト中に事故に遭い、下半身不随となりました。現在は4輪のレースで活躍する車いすドライバーですが、そんな彼に「再びバイクに乗ってもらおう」という有志の企画からSSPの活動は始まりました。青木拓磨選手がライダーとしてバイク走行を実現させた後、現在は

「ほかの多くの機能障がいを持つ人にも、バイクに乗れる感動を届けたい」

という思いで活動を全国に展開しています。

活動の中心となる「パラモトライダー体験走行会」では、SSPがヘルメットやグローブ、ボディプロテクターなどの装備品と専用バイクを用意します。サーキットや自動車教習所、駐車場といったクローズドコースを利用して頻繁に開催され、参加者それぞれの障がいに合わせてバイクをカスタムして走行します。

この日は視覚障がいを持つ方2名と、脊椎損傷による下半身不随などの障がいを持つ方5名が参加しました。視覚障がいの方には、バイク用インカム「B+com」を通じてボランティアスタッフが走行ラインをリアルタイムで指示し、安全な走行をサポートします。下半身不随の方には、シフト操作を手もとのスイッチに移設するSSPオリジナルの「ハンドドライブユニット」を装着した車両を用意。各パラモトライダーの状況に合わせたプログラムを組み、走行レベルに応じて補助輪の有無を切り替えるなどの簡易カスタムも現場で行います。もっとも不安定になる発進と停止のタイミングでは、ボランティアスタッフがクルマの両脇から駆け寄って車体を支えます。

SSPは走行希望者に対して、基本的に断りません。それぞれの障がいの内容を確認したうえで、どうすれば安全にサポートできるかを検討し、入念な準備を行います。これにより、すべての人にバイクを楽しむ場が開かれています。

今回も少し肌寒さを感じる時期の開催でしたが、快晴という天候にも恵まれました。参加者は自らの手でバイクを動かす感覚をじっくりと味わい、事故なく走行を堪能することができました。

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