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イギリスを代表するスポーツカー「オースティン ヒーリー」が集う「ナショナル ヒーリー デイ」の粋なオトナの自動車趣味とは!?

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • 2026年5月に開催された35回目の「ナショナル ヒーリー デイ」。全国から愛好家が集結した
  • 初代のマーク1(左)はカニ目と呼ばれる愛嬌ある顔つき。右のブルーの個体はマーク2だ
  • イベントへ参加する楽しみのひとつが、その年度ごとに製作されるTシャツや記念グッズだ
  • 急遽おこなわれた富士山を背景にした記念撮影。後方には色とりどりのスプライトが整列する
  • 東京都から参加したIさんご夫妻。富士山を背景に愛車との記念の1枚に笑顔が弾ける
  • 長野県から親子で参加。完全ノーマルからハードなカスタムまで、オーナーの個性が光る
  • コースインを待つ参加者たち。この日もっとも台数が多かったのは初代のスプライト マーク1だ
  • 最終モデルに近い本国仕様の希少な1台。MGミジェットとの違いはグリルとモールにある
  • この日もっとも過激なカスタム車両。8ポートシリンダーヘッドを搭載しコースを快走
  • 幼少期から父とともに参加し、今年ようやく免許を取得した息子さんがステアリングを握る
  • ヒーリー 100/6は、引退したメンバーから引き継いだという車両。「まだまだ借り物ですね」と語りつつ快走
  • グラスに注いだ水をこぼさずにコースを1周するゲーム。メスシリンダーで残量を計測する
  • 残量が多いほうが勝者となるユニークな競技。ドライバーと同乗者の息の合った連携が必須だ
  • こぼさないように慎重にドライブ。速さを競うだけではない、誰もが笑顔になれるゲームだ
  • 無事にフィニッシュ! 車両のパワー差に関係なく、和気あいあいと楽しめるのが大きな魅力
  • 参加車両とメンバーによる恒例の記念撮影。今年はあいにく富士山が雲に隠れてしまった
  • いつもビッグヒーリーが後方で目立たないという声を受け、前後を入れ替えた特別バージョンも
  • 閉会式までの時間はコースを自由に走れる。走り足りない参加者たちがスポーツ走行を満喫
  • 全開走行を楽しむスプライト。あまりに頑張りすぎて駆動系パーツを破損する参加者もいたとか
  • ゲームの合計で決まる総合優勝は初参加の根岸さんご夫妻。池田会長よりトロフィーが手渡された
  • 英国アパレルに携わるメンバーから提案された、AHCJのロゴ入りキルティングジャケット
  • 富士の麓に約40台が集結した

英国が生んだ傑作スポーツカーを愛する大人たちの祭典

世界中のエンスージアストから愛され続ける英国の名車、それが「オースティン ヒーリー(Austin-Healey)」です。オースティン・ヒーリーは、1952年から1972年まで存在したイギリスの伝説的なスポーツカーブランドです。なかでも日本で有名な、「カニ目」の愛称で親しまれる愛嬌たっぷりのヒーリーを含め約40台が、富士山の麓に集結しました。今回は2026年5月16日に開催された公式イベント「ナショナル ヒーリー デイ」へ潜入し、それぞれの全開走行から水運びゲームまで、ヒーリー仲間たちの笑顔があふれた初夏の運動会の模様をレポートします。

富士の麓に集結した約40台のヒーリー一族

英国の代表的なライトウェイトスポーツカー「オースティンヒーリー」を愛してやまない日本の仲間たちが、年に一度集う公式イベントが「ナショナル ヒーリー デイ」だ。

イベントを主催するのは、オースティン ヒーリーに魅せられた故・武森博さんが1979年に発足させた「オースティン ヒーリー クラブ オブ ジャパン((Austin Healey Club of Japan、略称:AHCJ))」である。当時はまだ存命だったブランドの創始者で親日派だったドナルド ヒーリー(Donald Mitchell Healey)と、息子のジョフリー ヒーリー(Geoffrey Healey)という故ヒーリー親子公認のオフィシャルクラブだ。

武森さん亡き後もクラブメンバーの尽力により運営されており、東西から比較的集まりやすい静岡県の「富士宮白糸スピードランド(ミニバイク&カート用コース)」を貸し切って開催されるのが恒例となっている。

今回で35回目を数える大会には、約40台のヒーリー一族が全国から駆けつけた。クラブメンバー以外でも参加可能となっており、より多くの仲間たちと楽しさを共有できる懐の深さも嬉しいポイントだ。会場には「カニ目」の愛称で親しまれる初代オースティン「ヒーリー スプライト」から、迫力あるビッグヒーリーまで、多彩なモデルが顔を揃えた。

全開走行から水運びまで、ヒーリー独自ルールの笑顔あふれるユニーク競技

サーキットならではの遊び方は、もちろん全開走行でのラップタイムを競うトライアルランである。しかし、勝負の行方は絶対的な速さだけではない。自己申告した1周のラップタイムにいかに近づけるかの誤差を競う「タイムトライアル」など、車のパワーやドライバーの腕前に依存せず、誰もが楽しめる工夫が凝らされている。

毎回違った提案がある「ファンカーナ(ジムカーナの遊び版)」は、今年はワイングラスになみなみと注がれた水を助手席のコ・ドライバー(同乗者)が保持したままコースを1周し、いかにこぼさずにフィニッシュできるかを競うユニークなものだった。

こぼれた量をメスシリンダーで正確に計測し、残量が多いチームが勝者となる。ドライバーの慎重なペダルワークと、同乗者のバランス感覚が試されるこの競技では、参加者から絶えず笑い声があふれていた。

トラブルすら楽しむ英国旧車乗りの粋な趣味の世界

白熱のゲームが終わったのち、閉会式まではコースのフリー走行枠が設けられ、走り足りない参加者たちが存分にスポーツドライビングを満喫していた。親子で参加し、今年免許を取ったばかりの息子がステアリングを握る微笑ましい姿も見受けられるなど、名車を通じた世代間の交流もこのイベントの魅力である。

クラシックカーでサーキットを全開走行するのだから、当然リスクも伴う。なかには頑張りすぎて、スプライトの泣き所であるハーフシャフト(ドライブシャフトの一部)を破損してしまった参加者もいたという。

しかし、そんなマシントラブルすらも笑い飛ばして楽しんでしまうのが、英国旧車乗りの粋なところ。ヒーリーファミリーの初夏の運動会は、同じメイクス(自動車ブランド)を愛でる仲間たちの「カニ目」のような笑顔あふれる素晴らしい1日であった。

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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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