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災害時の停電、避難場所としても活躍するクルマの条件とオススメ車種

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: ホンダ/Auto Messe Web編集部

100V電源を備えるハイブリッド車とPHV

 日本は言うまでもなく、地震、災害大国だ。東日本大震災、中越地震、熊本地震、そして今年の9~10月の台風15号、19号の甚大な被害を目の当たりにすれば、それが痛いほど分かると思う。では、災害時、自身でどうやって身を守るか、災害を乗り切るのか。その対応策のひとつが、クルマ、愛車の活用である。さらに、最近は発電機が身近になって燃料を卓上コンロで使用するカセットボンベタイプも登場している。

 そう、クルマは自分だけの避難所になりうるということ。水没、大きな損傷なし、という前提だが、エアコン、ラジオ&TV(装着車)完備で、スマホの充電、そして仮眠も可能な雨や風をしのげるプライバシー空間となる。ガソリン車ならいつも満タン、電動車なら常に満充電しておくべきなのも、うなずけるはずだ。

 2モーターHV車の一部には、AC100V/1500Wコンセントを備えたクルマもあり、車内外で1500Wまでの家電品を使える点も、災害時のみならずアウトドアなどで注目すべき便利ポイントといえる。アルファード&ヴェルファイアHV、ノア&ヴォクシーHV、オデッセイHVといったHVミニバンなら、AC100V/1500Wコンセントと車中泊も可能な室内空間の両方を併せ持つことになる。RAV4 HV、ハリアーHVなどのHV SUVも同様にAC100V/1500Wコンセントを持ち、災害時の悪路にも強い走破性が手に入る。

クルマに蓄えた電気を家に供給できるV2H

 が、さらにもう一歩踏み込んだ、クルマの災害時の使い方がある。それは、PHV、PHEV、EV、FCVの外部給電機能だ。災害時に停電した場合、照明、冷蔵庫、炊飯器からデスクトップパソコンなど、電気製品は使えなくなる。夜は真っ暗、食料を冷やすこともできない。固定電話も今は電源が必要で、停電すると使えなくなるのも困りものである。そんな最悪の事態に光明をもたらしてくれるのが、くりかえすが、PHV、PHEV、EV、FCVの外部給電機能だ。

 例えば、災害時にもっとも威力を発揮するクルマの1台として挙げられる、三菱アウトランダーPHEVは、スマホの充電はもちろん、コーヒーメーカー、ホットプレート、ドライヤーなどが使えるAC100V/1500Wコンセントを車内2ヶ所に装備。さらにV2H(Vehicle to Home)という機器を家に備えることで、アウトランダーPHEVや日産リーフなどEVに蓄えた電気を家庭で使えるようになる。

 そんなアウトランダーPHEVの場合、満充電の状態で一般家庭の最大約1日分、エンジンでの発電を組み合わせれば、ガソリン満タンで最大約10日分の電力量を供給可能。三菱自慢の悪路走破性、車中泊も可能なシートアレンジ性を含め、まさに災害時にも絶大なる威力を発揮してくれることになるのだ。

 ちなみに、台風15号の際、三菱自動車から12台のアウトランダーPHVが千葉県内の被災地に出向き、給電をサポート。じつに頼もしいではないか。

 また、トヨタのプリウス、プリウスPHEVも災害時に活躍してくれる1台だ。プリウスに用意されたAV100V/1500Wコンセントは、車両の走行機能を停止した状態で「非常時給電モード」を使うことができる。ビーグルパワーコネクタを使えば、EVモード、HVモードでの外部給電も可能になる。ガソリン満タンなら、HVモードでの給電を100時間以上使うことも可能となる。

 東日本大震災の際、トヨタのストロングHV、100V/1500Wコンセントを備えたエスティマHVが全国から集められ、東北に明かりをともした話は今でも語り継がれるエピソード、HV車の災害対応機能なのである。

 もちろん、日産リーフなどのEVも災害時には頼りになる存在だ。最新の大容量バッテリー搭載のリーフe+(62kWh)であれば、家庭の1日あたりの使用電力量が12 kWh(平成31年環境省データ)とすれば、 満充電状態で約4日間の家庭への電力供給が可能。4日目に電気が復旧すれば、充電&走行もできるわけだ。

医療機器など高品質な電力が必要

 災害時、家庭に電力を供給できるクルマはPHEV、PHV、EVだけではない。例えばホンダのクラリティFCV(リース専用車)だ。トランクに積める可搬型外部給電機「POWER EXPORTER9000」(9.0 kVA 別売)を使うことで、車両の電気を家庭用電源に変換。高品質・良質な電力のため、非常時には医療機器などにも電力の供給が可能になる。

 クラリティFCVと「POWER EXPORTER9000」を接続すれば、排気ガスなしで一般家庭のおよそ1週間分の電力を供給できるというのだから頼りがいがある。なお、「POWER EXPORTER9000」は、電動自動車用充放電システムガイドライン V2L DC版に適合し、汎用性があり、他社車両との接続互換性をも実現している。もっとも、価格は約120万円もするのだが・・・・・・。

 というわけで、災害時にもっとも安心できるクルマと言えば、やはり、現実的な価格で、ガソリンエンジンと大容量バッテリーの組み合わせを持ち、停電時に威力を発揮してくれるAC100V/1500Wコンセントと“外部給電機能”を備え、最低地上高に余裕がある4WDによる走破性を持ち合わせる、車中泊も可能なアウトランダーPHEVということになるだろう。

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