サンダルやヒールはわかるけど着物もダメ? クルマの運転で違反になる衣服

サンダルやヒールはわかるけど着物もダメ? クルマの運転で違反になる衣服

運転操作に支障のある衣服はダメ 道交法に服装の規定があった

 自動車を運転するときにどんな服装をしていますか? もちろん普段身につけている衣服で運転していると思いますが、ダメな履物もあるのです。

クルマの運転でアクセル、ブレーキなどのペダル操作に直結する履物は重要な役割を担っているため「つっかけサンダル」などは履いてはいけない

 たとえばお正月や夏のお祭りに出かけるときなど、和装で運転する場合もあるかもしれません。しかし袂や袖がレバーに引っかかるから危険だと警察官に違反切符を切られるとしたら、ちょっと納得できないかもしれません。

 しかし実際に、2018年に僧衣で福井県内を運転中に青切符を切られてしまったお坊さんがいました。僧侶は反則金6,000円の支払を拒否、浄土真宗本願寺派も「僧侶が服装を理由に反則処理をされたことは到底受け入れがたい」と反発。さらに全国のお坊さんたちが「#僧衣でできるもん」と様々な身体的パフォーマンスをSNSで披露し話題にもなりました。

 この道交法の服装規定とはどんなものなのでしょうか。

道交法の安全運転義務は都道府県ごとに指定されている

 道交法は第70条で安全運転義務が定められています。

 また第71条で公安委員会が別途定めた事項を守らなければならないのです。公安委員会は各県の管轄ですから、道路交通法施行細則や道路交通規則として都道府県が別途「運転者の遵守事項」として定めています。たとえば愛知県では「運転の妨げとなるような衣服又は履物を着用して車両等を運転しないこと」と衣服と履物を規定しています。クルマの運転でアクセル、ブレーキなどのペダル操作に直結する履物は重要な役割を担っているため「つっかけサンダル」などは履いてはいけない

 実は、先に述べた僧侶は違反の証拠が十分でなかったとして送検されませんでした。そして、一体どんな衣服が安全運転の妨げとなるのか一律に規定するのは難しいとして、全国の公安委員会で遵守事項の見直しが行なわれることとなったのです。

 そもそも、国民が等しく守らなければならない法律が各都道府県で異なるのは混乱の元ですが、地方の事情に合わせた規則を定められるように第71条で移譲されている事項なのです。

 そこで現在、各県の道交法施行細則・道路交通規則がどのようになっているのか全47都道府県の細則を調べてみました。なお、調査にあたっては「○○県 道路交通法施行細則」もしくは「○○県 道路交通規則」と検索。PDFやホームページで公開されていないものは「県令規集」や「Reiki-Bass」等で確認しています。

ほとんどの県で衣服規定が消滅 ただし履物規定は除外せず

 この遵守事項の真直しは2019年から全国で一斉に進められ、地方紙などでも数多く取り上げられました。見ての通り「衣服」の規定はほとんど削除され残っているのは5県のみとなっています。ユニークなのは栃木県で「運転操作に支障を及ぼすおそれのある姿勢」を唯一規定しています。衣服の規定が緩められた背景にはAT車が主流となりシフトレバーの走行中の操作が激減していることもあるようです。クルマの運転でアクセル、ブレーキなどのペダル操作に直結する履物は重要な役割を担っているため「つっかけサンダル」などは履いてはいけない

 一方、この調査であらためて実感したのが「履物規定」で、青森県を除いてどの県も除外していないということです。とりわけ加減速を司るペダルの踏み間違えは重大事故を引き起こします。連日のように踏み間違え事故が報道されるようになったいま、運転に適したシューズの重要性を再認識するべきだということです。クルマの運転でアクセル、ブレーキなどのペダル操作に直結する履物は重要な役割を担っているため「つっかけサンダル」などは履いてはいけない

 施行細則に定められた履物は、下駄・サンダル・ハイヒールなど操作中に脱げたり滑ったり著しく不安定なもので、鼻緒のある雪駄や踵ベルトで固定できるものは適用除外されています。一応は、鼻緒のついたビーチサンダルなら安全運転義務違反に問われることはありませんが、濡れていたり鼻緒が切れそうだったりすれば、違反に問われることもありそうです。やはり適格なペダル操作ができるスニーカーやシューズで運転に臨むべきであることは論を待ちません。クルマの運転でアクセル、ブレーキなどのペダル操作に直結する履物は重要な役割を担っているため「つっかけサンダル」などは履いてはいけない

 新型コロナで外出自粛が続く今年の日本ですが、終息後は海や山にレジャーに出かける人も一斉に増えることでしょう。運転の際にはぜひペダル操作しやすい靴に履き替えることをおススメします。ほんのひと手間で、安全を高めリスクを低減できるのですから。

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