ステップアップを目指すならハコ車が面白い
一方で土屋圭市、織戸学、谷口信輝のようにハコ車からレースをはじめ、トップドライバーになったレーサーもいる。
ハコ車の場合、走行会からスタートして、その延長で草レースに参加。そこから本格的なレースへというステップアップもあり、その過程でチューニングショップやレースガレージとコネクションができたり、耐久レースのペアドライバーに抜擢されて、ベテランドライバーからテクニックやノウハウを盗めるといったチャンスもある。また、ハコ車のスペシャリストになれば、自動車雑誌などへ登場する機会も増え、ファンも増やせる・・・かもしれない。
入門レースでも大きなレースのサポートレースとして大観衆の前で走ることができたり、ポルシェからトヨタ86、マツダロードスター、ホンダN-ONEまで、好きなクルマによるワンメイクレースというのも魅力的。
スキルアップや、レースに勝つことを目的にモータースポーツをはじめるのなら、よりたくさん練習ができて、多くの実戦を積める競技をやればいいし、レースに参戦すること自体を楽しんだり、仲間とチームを組んだり、好きなクルマでというのなら、ナンバー付きのハコ車レースやレンタルカートの耐久レースなども面白い。
結論としては目的と予算、年齢などによってモータースポーツの入口は変ってくる。
ゲームから実車にステップアップという手もある
もう一つ付け加えるのなら、最近では第三の道として、eスポーツのレーシングゲームから入るという方法もある。すでにグランツーリスモのトップ選手を、実車のルマン24時間レースなどに参戦させる「GTアカデミー」などもはじまっているし、eスポーツのレーシングゲームから世界的なトッププレイヤーとして注目され、スポンサーがついて実車レースにデビューし活躍しているドライバーも出てきている。
そういう意味で、免許がまだ取得できない年齢で、なおかつモータースポーツが大好きで、将来プロのレーシングドライバーになりたいと思っている人は、カートよりもむしろeスポーツの世界で名を売って、実車デビューした方が近道ではというレース関係者も少なくない。
可能なら愛車でサーキットを走り、カートでレースもやって、シミュレーターでトレーニングも弊習するのが理想なのだろうが、モータースポーツの入口はこれしかないと考えずに、魅力があるものから飛び込んで、実践しながら情報を収集して、どんどんのめり込んでいけばいいのではないだろうか。