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なぜいま「アゲ」なのか? 知られざる「軽トラ」リフトアップのメリットとは

投稿日:

TEXT: 佐藤知範  PHOTO: K-STYLE編集部

メリットだけでなくデメリットも把握しておく

 クルマのカスタムは大抵そうだが、大なり小なりのデメリットが伴う。特に仕事用として使っている場合は、その辺をきっちり調べておくべきだろう。そして「自分にはちょっと厳しいな」と思ったらやめておいた方がいい。リフトアップにあたり、考えられる主なメリットとデメリットは以下の通り。

【メリット】
◆ボディがひと回り大きく見える
◆遠くまで見通しが良くなる
◆大径タイヤが履きやすくなる
◆不整地での走破性能が向上する

【デメリット】
◆駆動系へ負担が増し、消耗が早くなる
◆重心が上がることで安定性が低下
◆大径タイヤ装着で加速や最高速度が落ちる
◆空気抵抗や重量の増加により燃費が悪化
◆乗り降りや荷物の積み下ろしがやりにくくなる
◆直前直左対策が必要になることも
◆構造変更が必要になることも

 ご覧の通り、メリットよりもデメリットの方が多い。特に気になるのがパワーや燃費、車検に関することだろう。これらはどれくらい車高を上げるのか、どんなタイヤを履くのかで変わるが、基本的に派手にイジるほどデメリットは大きくなる。そういう意味では、初心者はちょいアゲから入るのが無難。

アゲトラって乗り心地いいの?  悪いの?

 乗り心地がどんなものか説明するのは正直難しい。リフトアップ量、上げ方、キットの内容や品質、履かせるタイヤ&ホイール、セッティング方法、荷台の積載量など、さまざまな要因で大きく変わってくるからだ。たくさん上げたから乗り心地が良くなる/悪くなるともいえない。

 参考までに筆者の感覚でいわせていただくと、ちょいアゲでタイヤもホイールも換えないのであれば、乗り心地は純正とさほど変わらない印象。またフロントは車高調、リアはブロック+ロングショックで2インチアップしたデモカーに乗せてもらったことがあるが、空荷でもあまり硬さを感じず、突き上げも少なく、純正より快適だった記憶がある。

 しかし重心が高くなる分、カーブでは多少フラつきやすくなったり、タイヤもMT系のゴツゴツしたモノであればロードノイズや突き上げ感も出てくる。その辺りをどう解消していくか、または妥協していくのかは、取り付けショップとオーナー次第だろう。特に2インチ以上のリフトアップの場合、商品のクオリティとショップのノウハウは非常に重要になる。

「たとえ同じ商品でも、取り付け方によって乗り心地が良くも悪くもなる。最悪の場合はサスペンションの破損や事故に繋がるケースすらあります。リフトアップキットは通販でも買えたりしますが、取り付けは信頼できるショップで行っていただきたいです」と但東自動車の岩出さん。

アゲトラにまつわるこんな注意点もアリ

【構造変更について】
 40ミリを超えるリフトアップの場合、基本的に構造変更が必要になる。正確には「指定外部品」を使ってリフトアップする場合なのだが、ブロックやスペーサーは指定外部品。軽トラの構造上、リアを上げるにはブロックを使うのがほぼ必須なため、リフトアップ量が41ミリ以上であれば要構造変更となる。「増しリーフ」という純正に追加するタイプのリーフスプリングを使って上げる手もあるが、それも40ミリを超えると構造変更が必要(リーフスプリングも指定外部品)だし、そもそもそこまで車高を上げられるモノではない。

【キャリイは大きなタイヤを履きにくい】
 純正よりも大きなタイヤや、ゴツゴツしたオフロードタイヤを履くとスタイリングが決まり、最低地上高を稼げるから走破性能も上がる。そもそもリフトアップは、大径タイヤを履くためにやるという面が大きい。が、DA16Tキャリイに関してはフロントのタイヤハウスが狭いため、車高を上げてもそれほど大きなタイヤは履けず、チョイアゲではワンサイズアップすら難しい。

 参考までに具体的な「履ける限界サイズ(※物理的に装着できるかどうかで、保安基準等は考慮せず)」の目安を紹介すると以下の通り。正直キャリイは不利だ。

【DA16Tキャリイの場合】
・30ミリアップ…145R12(外径542ミリ)※純正サイズ
・2インチアップ…145R13(外径568ミリ)※要インナー加工
・4インチアップ…165/80R14(外径619ミリ)※要インナー加工

【S500Pハイゼットの場合】
・30ミリアップ…165/60R15(外径579ミリ)
・2インチアップ…165R14(外径626ミリ)
・4インチアップ…195R14(外径675ミリ)※要オバフェン装着

【車検時に気を付けるべきこと】
◆直前直左対策ができているか
近ごろのリフトアップ車で最も厳しくチェックされる部分。車高にもよるが、前方視界はドラレコ等のモニター付きカメラで、直左視界は補助的なアンダーミラーで確保するなど、対策が必要になるケースが多い。

◆光軸が正しく調整されているか
リフトアップ車に限らず、光軸チェックもかなり厳しい。基本、リフトアップすると光軸も狂うため、車検に関わらずキット装着後は必ず調整しておきたい。

◆タイヤの種類やはみ出しなど
かつて軽トラといえばLTタイヤ(貨物用タイヤ)でないと問答無用で車検NGだったが、今は規制が緩和され、耐荷重をクリアできれば乗用タイヤでも車検は通る。しかし、なぜかクリアしても落とされることもあるので注意されたし。

 またフェンダーからタイヤがはみ出すのも当然アウト。2017年6月に保安基準の一部変更により「10ミリ未満なら突出していないものとみなす」というものがあったが、貨物車扱いの軽トラには適用されない。だが10ミリ未満のオバフェンを付け、それに収まっていれば通ることもある。これも検査官次第だったりするので判断は難しいが……。

【取材協力】
但東自動車

◆兵庫県豊岡市但東町出合51
◆tel.0796-54-0206
https://www.tantojidosha.jp
◆営業時間:9時~18時
◆定休日:第2/4土曜・日・祝祭日

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