クルマのキズはどこまで直せる? ボディ・ガラス・ホイールまで「DIY補修」の限界点を探る! (1/2ページ)

クルマのキズはどこまで直せる? ボディ・ガラス・ホイールまで「DIY補修」の限界点を探る!

クルマの傷はどこまで自分で直せるのか

 擦り傷、飛び石傷、ドアパンチなど大事に乗っていても付いてしまうのがクルマの小傷。見つけたときはガッカリで、早く直したい気分になるだろうけど、傷が小さいと鈑金塗装に出すよりDIYで対応したほうが「安上がりに済むかも」と考えたりもする。だけどキレイに直らなかったことを考えると、やっぱりプロに頼むべきかと思ったり……ここは悩みどころでもある。

 そこでクルマの小傷を直すとき、どこまでのレベルがDIYで「安く済ませられる」ところなのかを都内にある旧車、稀少車の鈑金塗装も手がけるボディショップからのアドバイスを交えて紹介していこう。

安くあげたいなら、まずはコンパウンドで擦ってみる

 DIYで直すべきかどうか悩むものといえば線傷やすり傷だろう。DIY向けの補修材もこの手の傷に対応した商品が多いので、DIY作業を行うための環境は整っていると言える。 

 さて、修理だけど、ひと言で線傷やすり傷といってもボディの凹みを伴うものもあってケースごとに修理法や費用は変わってくるものである。そこで話が複雑にならないよう、取り上げるのは凹みを伴わない傷であることを前提とする。まずはコンパウンドで擦り上げてみる

 線傷の補修となると塗料を筆差しできる「タッチアップペイント(タッチペン)」を使う修理が思い浮かぶだろうが、塗料を使う前に試して欲しいのが傷周辺をコンパウンドで磨いてみること。

 最初に使用するのは傷取り用とされているタイプのコンパウンド。キレイな布に適量取って力を入れすぎずに傷部分を磨いてみる。すると塗装表面に付いた傷などが落ちるので、傷の範囲がグッと狭くなることもある。コンパウンドで擦りすぎは禁物

 ただ、傷消し用コンパウンドはそれなりに目が粗く擦った部分の塗装に曇りのように見える傷がつくので、仕上げとして細目→極細目の順で磨いていくことも必要。

 こうした作業をすると傷の範囲が狭くなるため「このままでもいいか」という気持ちになることもあるし、なにより費用的にも最も安価である。そんなことから塗料を使う前にコンパウンドで磨くことを勧める。

 なお、コンパウンドを使うときは消したい気持ちから強めに擦ってしまいがち。ただクリアや塗装膜はそれほど厚くないので擦りすぎは禁物だ。

線傷、擦り傷の補修は仕上がりの許容度が修理法選択のポイント

 一般的に線傷を直す際は、傷を挟むようにマスキングテープを貼り、ボディ色と同じ色番号のタッチペンで傷に対して色を差していくような修復を行う。塗装の「ささくれ」を傷消しコンパウンドでとる

 とはいえいきなり色を塗るのではなく、下準備として傷の周辺にできた塗装の「ささくれ」を傷消しコンパウンドか1000番あたりの耐水ペーパーで軽くさらうように整えておくと仕上がりがきれいになる。

 その後タッチペンで色を入れるのだけど、このときはハケの部分を横に動かすのではなく、ちょんちょんと傷に対して色を差していくようにする。また、一度で色を入れるのではなく、差した色がある程度乾いてから(20~30分程度の間隔)、重ね塗りしていくこともポイントだ。

 この作業だけでも傷は隠れてくれるが、こだわる人は差した色が完全に乾くまで待ったあと、耐水ペーパーで差し色の表面についた段差を修正。そのあとマスキングテープを剥がして修正部分を仕上げ用のコンパウンドで磨くと補修した部分はわかりにくくなる。タッチペンでの補修は目につきにくい場所がいい

 とはいえ、タッチペンでの補修はキレイに仕上げても直したところがハッキリわかってしまう傾向なので、ボンネットやドア、フェンダーの高い位置など目に付きやすい部分に付いた傷の修理には向いていないといえる。

 気になる費用だが、DIYでやれば数千円で収まるレベルで、業者に依頼した場合は傷の大きさや付いた場所にもよるが4~5万円は掛かると思ったほうがいい。

 費用にかなりの差があるけど、プロが行う補修は傷に色を差すのではなくて、傷ごと周辺の塗料を削ってパテで整形したのちに、元の塗装との差が出ないよう広範囲な塗装をするため、こうした金額になると言うこと。値段はたしかに高いがちゃんと直したい場合はこれが最良だ。

 なお、リーズナブルな価格設定の鈑金塗装ショップでは、修復部分周辺しか塗装しないので費用はそのぶん安く、目安として約3万円~といったあたりになる。ただ、塗り直した部分と元の塗装面との境が出やすいので濃い色やメタリック系の色では見る角度によって修理あとがわかってしまうこともある。

 小傷であればDIYでも直すことができるが、補修後の見栄えについてどこまでが許容範囲なのかが修理法を選択する上でのポイントだろう。

塗装面の飛び石傷はDIY補修が向いているかも

 高速道路を走っているときなど、前を走るクルマが巻きあげた小石がバンパーやボンネットにバチーンと当たる……自分は悪くないのに傷が付いてしまう嫌なパターンだ。

 この手の傷は若干の凹みを伴うことが多いけど、傷自体は小さいのでタッチアップペイントで色差しする程度の補修でフォローできるものでもある。凹みの分もタッチアップペイントを注すことである程度はカバーできるが、量を多めに注すとなると周辺に塗料が流れて仕上がりが汚くなりがち。飛び石の小傷

 そこで使いたいのがDIY向けのボディ補修材でおなじみの「武蔵ホルト」や「ソフト99」が発売している飛び石用の小さい丸い穴が開いたマスキングテープなどで、これを使うとキレイに丸く塗れるので補修後の見栄えがいい。これにさらにタッチアップペイントの塗料と元の塗装面との段差を耐水ペーパー→コンパウンドの順にならしていくとよりキレイに仕上がる。マスキングテープを利用して塗る

 塗装面の傷は飛び石であってもボディショップでちゃんと直す場合は、擦り傷同様に傷を塗装ごと削っての作業なので、費用はそれなりに掛かる。だけど小さい点の傷なのでDIY補修でもおそらく気にならないと思うだけに、このケースは費用を優先してもいいだろう。

フロントガラスの飛び石傷は修理しても必ず跡は残る

 飛び石傷というとボディのほかにフロントガラスが被害を受けることが多い。とくにミニバンや軽ワゴンなど箱型のクルマはフロントガラスが立っているので飛んできた小石の勢いをモロに受けやすいのだ。

 飛び石はトラックやダンプ、バスなどの大型車の後を走っているときに受けることは多いので、高速道路ではこうしたクルマの後を走ることは避けるか、車間をしっかり取っておくことが被害にあわないための対策でもある。ガラスの飛び石傷

 さて、ガラスに受けた飛び石傷だが、これは安全な走行を妨げることにつながるレベルの損傷であって、ガラスのセンターより運転席側に付いた傷があると傷の大小に関わらず車検には通らないというほど厳しく見られるところ。それだけに傷の状態によっては業者でも作業NGとするケースも多いので、この部分の修理はそもそもDIY向けとは言えないのだ。

 それを踏まえたうえでDIY補修用のキットの話だ。ガラス修理用のアイテムはネット検索すると海外品を含めてたくさん見つかる。ついつい値段で選んでしまいがちだが、ガラス傷は紫外線(UV)で硬化するレジンを傷の中にしっかり充填するのがポイントのひとつなので、付属しているインジェクターやピストンの制度が大事だ。そしてこれらの信頼性は安価な輸入品より国内の有名メーカー品のほうが高い。ガラス傷は紫外線(UV)で硬化するレジンを傷の中に充填する

 ガラス修理は失敗すると効果がないだけでなく、視界不良になることもあって最悪の場合ガラスの交換が必要になることもある。それだけにガラス修理は安く挙げたい人ほど、修理キットにはフンパツするべきなのだ。

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