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「農道のポルシェ」「てんとう虫」「軽初のCVT&フルタイム4WD」! 圧倒的な個性を放つスバルの軽自動車5選

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: Auto Messe Web編集部、SUBARU

3)ヴィヴィオ——走りの質感を高め、生き残りをかけた「軽を超えた軽」

 性能を前面に押し出した初代レガシィのヒットにより、深刻な経営危機から立ち直る兆しが見えた1992年。エントリーモデルである軽自動車もレガシィの勢いをそのままに「走りの質」に活路を求めた。まずはプラットフォームを一新し、低重心化。普通車と同じ、衝突安全基準を確保する骨格を持つことで当時のK随一の剛性と強度を誇った。サスペンションもレガシィ譲りの四輪ストラットにレックスから熟成された4気筒エンジンとフルタイム4WDを組み合わせるなど、Kとは思えない贅沢でスキのない仕上がりとなっていた。 

 660㏄化により軽自動車の参戦が活発となったラリーやダートラの1000㏄クラスへの参戦を想定した開発が行われ、王者アルトワークスRと互角の戦いを繰り広げた。また、ドイツのニュルブルクリンクサーキットにおけるタイムアタックを行ったり、世界一過酷と言われるWRCのサファリラリーにチャレンジし、初参戦でクラス優勝を果たすなど、高い実力を示すとともに「走りのK」のイメージを強くアピールすることに成功した。

 最上級のスポーツモデルはRX-Rで、直4DOHCに軽自動車唯一のスーパーチャージャーをドッキングし、標準仕様のエンジンとしてはトップ性能(64㎰/10.8㎏-m)を誇るなど、他を圧倒する速さと質の高さで時代をリードしたが、トールワゴンタイプの初代ワゴンRの登場がその状況を一変させた。

 バブルがはじけたことで走りよりも実用性が重視されるようになり、そんなタイミングで登場したKの限られたスペースで、最大限のスペースユーティリティを確保したワゴンRが大ヒット。ヴィヴィオもサンバー譲りのクラシックスタイルを提案するなど手を打ったものの時代の流れには逆らえず、販売数は伸び悩んだ。もし、ワゴンRがなければ、バブルが崩壊しなければ、その評価は大きく変わったことは間違いない。クルマの質感としては一級品だが、時代に負けた1台といえる。

4)R2——トールワゴン全盛のなかデザインにこだわったお洒落さん

 ワゴンRの登場で軽自動車の主流は重視したトールワゴンタイプに移行。スバルもプレオを投入したが、開発陣はスペース効率追求型を良しとしていなかったようで、軽業界に新しい流れを作るべく2003年にリリースされたのがR2だ。

 特筆すべきはフィアット・バルケッタやアルファロメオ147をデザインしたアルフォッド・ザパティナスが手を加えた丸くて可愛いクーペのような個性的なスタイリングだ。 航空機をモチーフとした新生スバルのデザインである「スプレッドウィンググリル」が特徴的で、張りのあるボディサイドや四隅を強調する盛り上がった前後のフェンダーなど隅から隅までデザインオリエンテッドな作品であった。

 内外装ともにデザイン先行型だが、最適な姿勢を取れるドライビングポジションや使い勝手を含めて手抜かりはなく、クルマとしての基本性能をしっかりと押さえているところはスバルらしい。走行性能はヴィヴィオ譲りで、熟成の域に達しており、プレオに比べて50~70㎏の軽量化が施されたことによってドライバーズカーとしても秀逸であった。

 ただ、ハイトワゴンの牙城を崩すには至らず、R2の登場で縮小したプレオのラインアップが再び増やされるなど、販売面では失敗に終わったが、スタイリッシュなシティコミューターである2ドアのR1を生むなど、軽自動車の限られた枠のなかで満足度の高いクルマ作りを目指したスバル開発陣のチャレンジは高く評価したい!

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