ホンダ・HA6/7アクティトラック
~他の軽トラでは味わえないミッドシップレイアウト~
◆中古車市場の平均相場:20万~50万円
他メーカーにOEM供給も行うキャリイやハイゼットに対し、独自の路線を突き進むアクティトラック。エンジンを中心に配置されたミッドシップレイアウトは、軽トラ唯一。前後の重量配分に優れており、荷台に何も積んだいない状態でもしっかりトラクションがかかり、走行性能も高いので今も農業従事者を中心にファンが多い。
63キャリイと同じくロングホイールベースとなり、キャビンは前方に張り出したセミキャブオーバータイプ。バモスを彷彿とさせる顔つきはスタイリッシュで、フロントバンパーなどバモス用のパーツを流用できるのがメリット。タマ数は販売台数と比例して少なめだが、割と手頃な価格で流通している。他と被りたくない人に最適!
初期のモデルでは素地だったフロントバンパーは、2000年の一部改良で全グレードボディ同色仕上げに。最上級グレードのタウンはフルホイールキャップを装備。
キャビンをセミキャブオーバーにしたことで荷台長が狭くなり、2000年末モデルから荷台長を70ミリ拡大。だが室内空間が若干狭くなってしまった。
インパネのデザインはバモスに近く、あくまでも実用に特化した軽トラにしては洗練されている。グローブボックス上の小物置きやポケットなど、収納スペースも多いので荷物が多い職人サンにとっては嬉しいだろう。運転席エアバッグは標準装備。メーターはシンプルな単眼で、タコメーター付きのバモス純正を移植する人もいる。シートはビニールレザーで、最上級モデルはファブリック。
「4WDモデルはミッションがマニュアルのみで、オートマの設定がないのが残念です。あとはタイヤハウスが盛り上っているので、足元が狭いのもネックかな」。
SPECIFICATIOS(SDX 4WD・5MT)
全長:3395mm 全幅:1475mm 全高:1745mm 車両重量:860kg エンジン形式:E07Z 最大出力:46ps/5500rpm 最大トルク:6.1kg・m/5000rpm 燃費:16.6km/L
三菱・U61/62Tミニキャブトラック
~ビシッと引き締まった力強いフロントマスクがポイント~
◆中古車市場の平均相場:15万~50万円
現行型はキャリイのOEMとなってしまい、今回紹介する6代目ミニキャブトラックは最後の自社製造モデルとなる。 03年には日産にOEM供給を行い「クリッパートラック」の名で販売を開始した。正直イジる人はそれほど多くないが、ドレスアップのベースとして主流なのが大規模なマイナーチェンジを実施した00年以降のモデル。 特にキャビンは全くの別物と言っていいほど大幅に刷新され、スクエアな形状に生まれ変わった。クリッパーはフロントグリルで違いを出した程度で、ミニキャブとの大きな変更点はない。
ミニキャブ&クリッパーの魅力は精悍なフロントマスク。2011年以前のモデルはライトのインナーがブラックアウトされており、輝度が高いマルチリフレクターとの組み合わせでキリッとした顔つきに仕立てている。ブラックマイカの「黒トラ」、クールシルバーメタの「銀トラ」といった専用色の特別仕様車も販売。メッキグリルなどを採用して質感を高めたが、流通量は少ない。
エンジンは当時三菱の軽自動車で主流だった3G83をシートの下にレイアウト。10年に一部改良を行い、わずかながら燃費を向上させている。
荷台スペースの広さは大きな不満はなく、一般的な軽トラレベル。撮影車輌はゴムマットとあおりのプロテクターが装着されていたので、状態が良い
ミニキャブ&クリッパーも十分な収納スペースを設けているが、特にダッシュボード上部の中央に設けたトレイはちょっとした小物を置けて重宝する。シート形状は至って普通。
「ミニキャブ&クリッパーは知名度はそれなりに高いですが、人気はキャリイやハイゼット。割と状態が良い個体が比較的安く流通しているのでオススメですよ」。
SPECIFICATIOS(クリッパーDX 4WD・5MT)
全長:3395mm 全幅:1475mm 全高:1790mm 車両重量:780kg エンジン形式:3G83 最大出力:48ps/6000rpm 最大トルク:6.3kg・m/4000rpm 燃費:16.8km/L