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「ドリフトの聖地」を救いの手を! 福島県沖地震で壊滅した「エビスサーキット」の復興と支援

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: エビスサーキット

福島県沖地震から2カ月経った「今」

 2021年2月13日23時08分、福島と宮城を震度6強の地震が襲った。2011年の東日本大震災から10年。自然のなせることとはいえ、いまだ復興の半ばである東北にまるで鞭を打つかのような仕打ちだ。この地震は全国のクルマ好きにとって大きな衝撃を与えるニュースをもたらした。ドリフトの聖地と言われている福島県二本松市の「エビスサーキット」が大規模な土砂崩れ。TVや新聞でもセンセーショナルに報道されたが、実際の被害や現状、復旧への見通しはどうなのだろうか?

 

コースは壊滅も人的、動物的被害はなし

 レースも開催できる本格的なコースから練習用の広場までを内包し、ドリフトの聖地として世界的に知られる「エビスサーキット」。2月13日に発生した地震から一夜が明けた翌日、クルマ好きにはショッキングな映像が飛び込んできた。数々のビッグイベントが行われる「西コース」が、大規模な土砂崩れによって埋もれてしまったのだ。

 地震が起きたのが夜中だったため、人的な被害がゼロだったのは不幸中の幸い。また併設している「東北サファリパーク」の動物たち、近隣にある民家への影響もないと聞いて安心したが、画像や映像を見る限り西コースのダメージは致命的に感じた。

エビスサーキットでは早々にSNSで知り得る限りの情報を発信し、災害に負けることなく復旧に向けた力強い意思を表明。その後は被害の詳細や部分的な営業再開が何度となくアナウンスされている。

一時は園内に入ること自体が危なかった

 まずは現時点でわかっている情報を整理したい。地震で大きな被害を受けたのは「西コース」と、その上に位置している「ドリフトランド」に加え、西コースからすぐ下の「くるくるランド1」の3カ所だ。

 ドリフトランドの崖が崩落して土砂崩れが発生。下にある西コースを横断してくるくるランドまで流れ込んだ。さらに「東コース」と「スクールコース」は路面に大きな亀裂が入り、D1グランプリの舞台である「ドリフトスタジアム」や「北コース」も被害を受けた。

 サーキット自体だけではなく園内の連絡道路も同じで、当初はスタッフが足を踏み入れられる範囲もかなり狭かったという。とくに「西コース」はコントロールタワーこそギリギリ無傷だったが、応接室や最終コーナー側のピットや救護室に加えレストランも全壊。冬に入れ替えたばかりのタイム計測システムも全損とまではいかずとも、半分ほどが破壊された。それだけでも1000万円を軽くオーバーする被害額だという。

 当初はドローンを使い被災の状況をチェック。安全が確保できた時点で現場に入って確認していた。とはいえ即座に営業を再開するための工事は始められなかったという。

 最優先は施設の内外に対する二次災害の予防で、それだけで軽く1カ月ほどの時間を要したのだ。同時に他のコースを1日も早くオープンさせるべく工事を始め、ちょうど1カ月後の3月13日には北コースやスクールコースを始め、ドリフトのフリー走行に使うコースが営業を再開した。さらに4月1日からは東コースも工事を終え、フリー走行や各種イベントが行われている。

 では甚大な被害を受けた西コースやドリフトランド、くるくるランド1はどうなっているのだろうか。工事業者や地形学者らが入念に調査を重ね、再オープンに向けて動き出してはいる。ただし現在も完全な見通しは立っていないのが実情で、流出した土砂の量が量だけに運ぶ場所も悩みどころ。

 それでも西コースは5月1~2日の開催を予定しているイベント「ドリフト祭り」から、被害がなかった前半の部分を使って走行を再開する予定だ。土砂はひとまずコースの使わない後半にまとめておき、最終的にはくるくるランドを埋めて西コースのパドックと同じ高さまでかさ上げする案、西コースの最終コーナー寄りに積んでレイアウトを変更する案などが検討されている。いずれにせよ確定すれば何らかの告知があるだろう。

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