クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • メーカー純正の「魔改造」ミッドシップ! 大人気ないほど速かった「ルノー5ターボ」とは
CLASSIC
share:

メーカー純正の「魔改造」ミッドシップ! 大人気ないほど速かった「ルノー5ターボ」とは

投稿日:

TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了/Renault Group

ホットハッチの豪傑マシンはモンテカルロ、ツール・ド・コルス優勝の偉業

 こうして開発されたルノー5ターボは当然のようにWRCに挑戦を始めました。

 完成した1980年の10月、地元開催となったツール・ド・コルスがデビュー戦となりました。ラニョッティがドライブするワークスカーは、ライバルたちが驚くほどの速さを見せつけましたがエンジン補器類のトラブルでリタイアを喫してしまいました。しかし3カ月後に行われた1981年シーズンの開幕戦、モンテカルロでは見事優勝を飾ることになりました。そしてこれは同時に、ターボエンジン搭載車によるWRC初優勝として歴史に残る快挙となりました。81年モンテカルロ優勝の5ターボ またこのシーズンはモンテのルノーを筆頭にアウディ、フィアット、ダットサン、ランチア、フォード、タルボットと、全12戦で都合7メイクスが勝ち名乗りを挙げる混戦ぶりでしたが、翌1982年シーズンはアウディが12戦中5勝を挙げ真価を発揮し始めていました。5ターボは第5戦のツール・ド・コルスでラニョッティが優勝を遂げていましたが、ターボパワーがモノ言う時代から4輪駆動圧倒的優位の時代へとシフトしはじめていたのです。5ターボ ツール・ド・コルス参戦車 5ターボの市販モデルについては普及版とも言うべき5ターボ2が登場していましたが、WRCにおいても車両規則が変更され、主役がグループ4からグループBに移行したのに合わせてエボリューションモデルとも言うべき5マキシターボが登場しています。ルノー5マキシターボ 最大の進化はエンジンで排気量を1527ccに拡大(ターボ係数を掛けて2138cc)したC7Kエンジンは350psを絞り出していました。外観からは3対計6灯に強化された補助灯のうち、中央寄りの1対2灯がボンネットと一体化されたフロントビューが5ターボとの大きな違いとなっています。5マキシターボのライト周りまたルーフエンドに装着された大型スポイラーも特徴となっていました。このエボリューションモデルを駆ったエースのラニョッティは85年のツール・ド・コルスで5ターボに3勝目をもたらしています。

 時代に逆らうかのようにミッドエンジンの後輪駆動で頑張っていた5ターボは、2ドアハッチバックのコンパクトなボディに、大袈裟過ぎるほどのブリスターフェンダーとエアロパーツを取り付けた、まるで「チョロQ」のようにも映りますが、愛らしいデザインは評判となり今でも根強い人気を誇る1台となっています。

12
すべて表示
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS