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マッチョにも程があるオーバーフェンダー! 日産240RSという悲運の名車

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了/小林健

シャープなシルビアから生まれた骨太のデザイン

 そんな、ある意味“悲運”さえ感じさせる240RSでしたが、そのエクステリアデザインの秀逸なことでは今でもなお、ライバルに負けず劣らずの高い人気を誇っています。基本的にはベースとなったシルビア(3代目S110系)のクーペ・モデルに、前後オーバーフェンダーとリヤスポイラーを装着しただけですが、シャープな印象の強かったS110が、骨太のデザインに一新されていました。

 オーバーフェンダーといえば、1970年にデビューしたスカイラインGT-R、いわゆる“ハコスカ”がその嚆矢とされています。さらに、翌1971年に登場したフェアレディ240Z-Gや、さらに翌1972年に登場したカローラ・レビン/スプリンター・トレノも、オーバーフェンダーをよりポピュラーにしたモデルとして記憶されています。

 これらに共通しているのは、ホイールアーチに沿った円形のデザインです。これに対してフェンダーを全体的に、あるいはより広い範囲で膨らませたものをブリスターフェンダーと呼んで区別しています。

 先駆けとなったのは1973年にデビューした、スターレット(初代のKP47系)のN2仕様レースカーが装着していたオーバーフェンダーがこう呼ばれ、反響を呼んでいたことが思い起こされます。ちなみにトヨタではその後もカローラ・スプリンター・グランドカップに参戦するN2規定のAE86用に、ブリスターフェンダーをスポーツオプションで用意していたことがありました。

 もっとも、先に触れたKP47系スターレット用のそれに比べると幾分はは控え目なデザインではありましたが。こうした“レーシーな”オーバーフェンダーに比べると、240RSが装着していたそれは、デザイン的にもまったくの別もの。意外なようですが、クロスカントリー(CX)4WDのそれに近いものが感じられます。

 ラリーカーにとってオーバーフェンダーは、ロードカーなら幅広タイヤを装着した際のタイヤを覆う(カバーする)ことが必須ですが、それよりもマッドガード、つまりタイヤが跳ね上げた泥や砂利をボディ本体に寄せ付けないようにすることの方が重要になっています。だからこそ膨らんだオーバーフェンダーに対して、タイヤが細くてミスマッチ的なラリーカーが多いのでしょうか?

 それはともかく、ベースモデルのシルビアがシャープなデザインでまとまっているのに対して、CX4WD的なオーバーフェンダーを装着した240RSは、より骨太のイメージが湧くのだと思われます。PRINCE GARAGEかとりで取材した240RSはナンバー付きのロードカーで、それ自体も珍しいのですが、つぶさに観察して幾つもの新発見がありました。ここではスペースも限られているので、もっと掘り下げたレポートはまた機会をあらためてご紹介したいと思っています。どうぞご期待ください。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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