スライドドア車ならなんでも高齢者フレンドリーとは限らない! 重要なシート形状とズバリ選ぶべき車種 (1/2ページ)

スライドドア車ならなんでも高齢者フレンドリーとは限らない! 重要なシート形状とズバリ選ぶべき車種

ポイントはヒール段差とシート位置

 足腰の弱った高齢者をより快適にクルマに乗り降りさせてあげたい。そんな要望に応えてくれるのは、どんなクルマなのか? まず思いつくのは、リヤドアの開口部が大きくてステップが低く、ステップに段差のない両側スライドを備えたクルマだろう。

 そう、ミニバンやプチバンと呼ばれるハイトワゴン、そしてスーパーハイト系と称される軽自動車である。両側スライド車のメリットは、大開口のドアからの乗降性の良さに尽き、その開口部高がたっぷりあれば、頭を大きくかがめずに、家の玄関を出入りするような自然な姿勢で乗り降りできることになる。

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 ならば、どんなスライドドア車でもいいのか? と言えば、じつはそうではない。ドアをくぐり、室内に入り、そしてシートに腰掛け、降車時にはそこから立ち上がることになる。だが、足腰の弱った高齢者にとっては、シートの着座や立ち上がり性の良否がポイントとなるのである。

 それは、どういうことか。家庭内の椅子、ソファを想像してほしい。ローソファに座り、そこから立ち上がる動作は健常者であっても大変だ。とくに立ち上がる際は、どこかに手をつくなどしないとスムースに立ち上がることはできないはずだ。だが、食卓の椅子の高さなら健常者ならずとも動作が小さくて済み、比較的に座りやすく、立ち上がりやすい。ソファーから立つ老人画像はこちら

 クルマのシートもまったく同じで、フロアに対するシートの高さ=ヒール段差が高ければ高いほど、座りやすく、立ち上がりやすくなる。

軽自動車ならルークスとekスペースがベスト

 例えば、高齢者を乗せ降ろしさせるのにもぴったりな、スーパーハイト系軽自動車の例を挙げると、後席のヒール段差は車種によって様々。日産ルークス&三菱eKスペース380mm、ダイハツ・タント360mm、ホンダN-BOX 355mm、スズキ・スペーシア360mmだ。

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 つまり、このなかで足腰が弱った高齢者が座り、立ち上がるのにもっとも適適しているのは、ヒール段差がもっとも高い380mmのルークスとeKスペースということになる。もっとも、ヒール段差は360mm以上あると座りやすく立ち上がりやすいので、ほぼ全車、高齢者対策としては合格と言っていい。高齢者の乗り降りしやすい軽自動車画像はこちら

Mクラスボックス型ミニバンならノア&ヴォクシーやステップワゴン

 では、高齢者施設などの送迎車としての使用頻度も高いMクラスボックス型ミニバンはどうだろう。2列目席のヒール段差は日産セレナ390+70=450mm、現行ステップワゴン385mm、新型ノア&ヴォクシー380mmだ。ここでのポイントは、セレナの場合ステップとフロアに70mmの段差があり、階段を2段上がるようにして乗り込まなければならない点だ。高齢者が乗り降りしやすいフリード画像はこちら

 よって、ワンステップフロアのノア&ヴォクシーやステップワゴンのほうが、足腰の弱った高齢者には向いている。新型ノア&ヴォクシーにはからくり機構を使った、パワースライドドアと連動して展開するユニバーサルステップもメーカーオプション(3万3000円)として用意され、ステップ地上高は200mmまで低まるから、高齢者や小さな子どもの乗り降りにぴったりだ。

 肝心のヒール段差は新型ノア&ヴォクシー370mm、現行ステップワゴン340mm、セレナ340mmと、ノア&ヴォクシーが圧倒。シートに腰を落とす、立ち上がる、どちらの方向もより楽ということになる。乗降時にはBピラーに縦長に付いた、下部は子ども用自転車のハンドルグリップと同じ細さにデザインされているアシストグリップの存在も、乗り降りのしやすさに貢献してくれるに違いない。