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オーナー心は複雑な「ブタケツ」の愛称! スター「ケンメリ」の陰に隠れた日陰の「ローレル」物語

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: 日産自動車/Auto Messe Web編集部

  • C130型ローレル

  • ローレル ハードトップ2000GX6-Eのリヤスタイル
  • C130型ローレル
  • ケンメリスカイライン
  • ダルマセリカ
  • ローレルハードトップ2000GX
  • L28型直6 2.8Lエンジン
  • C130型ローレルのインテリア

ケンメリが偉大過ぎて過小評価の2代目ローレルを振り返る

 1972年に登場した2代目ローレル。このC130型はC110型スカイラインの姉妹車であり、つまりは「ケンメリ」と姉妹関係にある。だがスカイラインはすでにブランドが確立されており、老若男女問わず認知されたモデル。昔からスカイラインは特別であり自由の象徴であり、当時のヒエラルキーで言えば平社員がサニー、課長がブルーバード、部長がスカイランとはならずにローレルとなる。ケンメリスカイライン

 なぜなら、社長がセドリック(セドリックスペシャルの後継車が初代プレジデント)だから、学生からおじさんまでが好きなスカイラインは別格として、ブルーバードとセドリックの間にはどうしてもローレルの存在が必要だった。さらに付け加えれば、スカイラインとグロリアはプリンス自動車で生まれた車種であり、日産からしてみれば他所のブランド。それゆえにローレルの名前が日産にとっては重要なのだ。

当時のアメ車を彷彿とさせるリヤスタイルが「ブタケツ」の由来

 そんな折に登場した2代目ローレルは、見事なまでに上級なサルーンであった。「ブタケツ」の愛称はどうやらリヤのコンビランプがバンパー内にまとめられたことが由来らしいのだが、愛称とは意外とそんなもの。トヨタのクジラクラウンやダルマセリカなどなど。なんで? と若い人は思うかもしれないが、そんな時代だったと思ってほしい。クルマが共通の話題だった時代は、いろいろな愛称が飛び交ったものだ。余談だが、筆者がピアッツァに乗っていたころは、「お前のイチジクさぁ」なんて言われたものだが、マヨネーズの容器に似ているからマヨちゃんと自分で愛称を広めていたほど。ダルマセリカ

 話をブタケツに戻すと、とくにCピラーからトランクの下端まで下がるスタイリングは、アメリカ車の影響を感じさせ、この時代は欧州よりも北米のデザインに大きく影響を受けていたと思う。そして後のレパードJフェリーや、U13ブルーバードに影響を与えたのではないかと思うほど流麗で、海外のトレンドやマーケットを意識していたのかもと想像させる。

ケンメリと差別化を図ったスクエアなテールランプをデザイン

 トランクリッドが大きく開くところが当時としては珍しく、実用性と個性を感じさせ、ナンバーをバンパー下に配したワイド感を演出するテールまわりは洗練されていてスポーティだった。誰もが知っている、サークルテールのスカイラインに対しての差別化は十分に図られていたと言える。近年エンブレムが違うだけのOEM車が多数ある時代からみると、本気度が違うことを思ってしまう。販売台数はスカイラインが上回まわるかもしれないが、ローレルにはローレルの生き方があるのだ。そんな印象だ。ローレル ハードトップ2000GX6-Eのリヤスタイル

 フロントまわりやサイドを見ると、フロントは当時定番のアイアンバンパーにナンバープレートに置いた定番スタイルながら、少しだけ前側に曲線を見せるボンネットが新時代を感じさせる。サイドはヘッドライトからリヤフェンダーに下がるキャラクターラインと、ドアハンドルから後部にかけてCピラーを受け取るように上がっていくラインも印象的。まるで車体後部全体でオーバーフェンダーと見せるようなスタイリングは、サーフライン(サーフィンライン)で名を遺したスカイラインに負けない力強さがあった。ローレルハードトップ2000GX

 人気を集めた理由を考えると、ローレルはスカイラインと名乗らなかったことが最大の理由ではないだろうか。スカイラインを名乗らなかったゆえに販売台数は決して多くなかったが、スカイラインじゃないからと欲しがる天の邪鬼も大勢いたことだろう。また人気モデルではないため、王道スタイルを気にすることなく、どう改造しようが自分次第であった。

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