セナをもってしても販売不振! 4代目プレリュードが日本で失敗したワケ (2/2ページ)

よりスポーティなSi VTECとスタンダードなSiの2グレードを展開

 搭載エンジンは2.2L直4DOHCを2グレードにそれぞれ搭載。自慢のVTEC搭載モデル(グレード:Si VTEC)はハイオク仕様となり、圧縮比10.6で最高出力220ps/6800rpm、最大トルク22.3kg-m/5500rpmを発揮する高回転型H22A型は、アルミ合金製のシリンダーブロックの採用によって軽量化も図られていた。この高性能エンジンは低中速域から高速域まで安定したトルク特性を実現し、インテグラやCR-X、シビックに搭載されたB16A型のようなジキルとハイドと擬えられる刺激は薄いものの、排気量のゆとりもあってどの回転数でもパワフルな性能が味わえた。

【関連記事】真のモテ男こそオープンカーで勝負をしていた! ツウには人気だった隠れデートカー5選

H22A型直4DOHC VTECエンジン画像はこちら

 ちなみに、VTEC機構を持たないレギュラー仕様の2.2L直4DOHCのF22型搭載モデルもラインアップ(グレード:Si)。こちらは圧縮比9.5から160ps/6000rpm、20.5kg-m/5000rpmと大人しい感じの性能ながらこちらも高回転型で、Si VTECとは一線を画すデートカーのプレリュードとしての流れをしっかり継承していた。

 それはプロスマチックと名付けられたギヤセレクトを、クルマ側がスムースに選択する(登降坂時では3速をキープして4速にシフトアップしないなど)新開発の4速ATもあって、一段とスマートに走れるように仕立てられていた。もちろんスポーティな5速MTもあり、どちらのエンジンにも4速ATと5速MTがそれぞれ設定された。

快適性を高めたシャーシ性能のほか進化した4WSを採用

 走りを支えるサスペンションは新開発の4輪ダブルウィッシュボーンを採用している。すべてのアーム類を見直して前後のロールセンターを低くしたほか、バネレートは抑えながらもダンパーの減衰力とスタビライザーの強化によってホイールのストローク量を増やし、より足を動かして乗り心地を高めながらも、スポーティな走りに応える熟成と懐の深さを実現。さらに先代で話題を集めた4WSを進化させた電子制御式4輪操舵システムのハイパー4WSは、ステアリングの舵角や車速に加え、ステアリング操作の速度も考慮された操舵角度制御によって、ドライバーの意志と走行状況に適した運動特性を判断、後輪舵角を決めることで自然なフィーリングを実現。先代からの進化をより感じさせるハイパフォーマンスを発揮した。4代目プレリュードのハイパー4WSシステム画像はこちら

スタイリングの路線変更が思うようなヒットとはならず

 ところがこの4代目のプレリュードは大ヒットとはならなかった。それはまずスタイリングで、最初に述べた通り、初代はベルノ店を担う端正なクーペであり、個性的なメーターや当時は珍しかったサンルーフも特徴であった。続く2代目はリトラクタブルヘッドライトが印象的な2ドアクーペのデートカーで人気を博し、3代目も2代目の路線を踏襲しながらより洗練したスタイルで登場。4WSといった特徴的な飛び道具があったものの、DOHCエンジン車=Siというグレード名を名乗る法則を定着させるなど、それぞれが時代に寄り添い、牽引する形で人気モデルとなった。4代目プレリュードのスタイリング画像はこちら

 ところが4代目は少しアメリカンが過ぎたか、初代からの端正なプレリュードらしさはスポイルされてしまった。しかし、個性的なヘッドライト脇のグリルから盛り上がるボンネットは従来のプレリュードのデザインにはないスタイルであり、ハイデッキのトランクはボリューム感と力強さは感じさせる。だが、歴代のプレリュードにあった繊細さ(きめ細やかな部分)よりも力強さが全面に押し出されており、醤油味だと思って食べたらバター味だった……といった錯誤があったのかもしれない。

なぜスペシャルティさを求めたユーザーには受け入れられなかったのか!?

 また、一段とスポーティになったことも要因だろう。プレリュード史上最高のスポーツ性を備えたわけだが発売当初は4人乗りだったのもマイナスに働いたはず(後に5人乗りを発売)。時代はRVやツーリングワゴンブームが到来しており、2ドアモデルの人気は下降していった。しかも開発時期はバブル期、販売時期がバブル崩壊後というタイムラグもマイナス方向に影響した。いかにF1で好成績を残そうが、発売時の1991年はバブル崩壊の足音が聞こえてきていたころ。もし時代が違っていたら人気モデルとなっていた可能性もあっただけに、そこはとても残念であった。4代目プレリュードのリヤスタイル画像はこちら

 実力はともなっていても時代のニーズに合致しないと売れないし、歴代モデルが築き上げてきたキャラクターイメージとかけ離れてしまうとそっぽを向かれてしまう。4代目プレリュードは奇しくもそれを教えてくれた。

■ホンダ・プレリュード(BB4型・5速MT車)
○全長×全幅×全高:4400mm×1765mm×1290mm
○ホイールベース:2550mm
○トレッド:前/後 1525mm/1515mm
○車両重量:1240kg
○乗車定員:4名
○室内長×室内幅×室内高:1695mm×1430mm×1065mm
○エンジン: H22A型直列4気筒DOHC
○総排気量:2156cc
○最高出力:200ps/6800rpm
○最大トルク:22.3kg-m/5500rpm
○サスペンション 前後:ダブルウィッシュボーン式
○ブレーキ 前後:ディスク式
○タイヤサイズ 前後:205/55R15
○発売当時車両本体価格:220万5000円(東京地区価格、税抜)

画像ギャラリー