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発表間近!! ホンダ新型「ZR-V」開発者の言葉から読み解く「新たなパッケージング」とは

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: 本田技研工業/American Honda Motor Co., Inc

SUVの新しい在り方をパッケージングしたホンダらしい新提案に注目

 パッケージングについても、多くのSUVとは一線を画すという。ZR-Vのパッケージ、インテリア担当者の伊藤智広さん言葉によれば、

「パッケージングの効率の高さはホンダのSUVの特徴です。しかし、そうした効率よりも、もっとエモーショナルな部分を突きつめていきました。インテリアについてはセダンライクな運転姿勢です。従来のSUVはトラックのような、やや背中が立っている乗車姿勢でしたが、新型SUVはセダンがそのまま高くなったスタイルに。インテリアにも、SUVよりセダンやクーペに近いパーソナルな空間を求めました」

「特徴的なハイデッキのセンターコンソールは、人体でいう正中線(体の真ん中に現れる、縦にまっすぐ伸びるラインのこと)の役割を意識したものです。シンメトリーな形にすることで、運転席・助手席それぞれの動線が交わらないため、クーペやセダンのようなパーソナルな使い勝手を実現できました。コンソールやドアには、脚のバタつきを抑えるニーパッドを採用。カーブ時などに身体を安定させるとともに、クルマとの一体感が得られ、走りをより安全に楽しめるデザインとなっています」ホンダZR-Vのインテリア

 そう、「セダン、SUVそれぞれの特徴を踏まえて、ZR-Vは低い運転姿勢にこだわり、床面に対して乗員が座る位置をセダン並みに低くしたことで、ドライバー席は踏ん張りの利いた姿勢を確保しやすく、また運転席以外の座り心地の良さも実現できました」と説明があるように、最低地上高に余裕があるSUVにして、セダンからいきなり乗り換えても違和感のない乗車感覚、運転感覚がZR-Vの大きな特徴のようだ。結果、新採用された独立懸架式リヤサスなどとの相乗効果もあって、シビックのクロスオーバーモデルを思わせる低重心感覚を味わえるスポーティな走りさえ可能にしていると予想できるのだ。

SUVの先駆者ホンダが本気になった渾身のZR-Vに大注目!!

 エクステリアデザインも気合が入っている。内側から強いテンションがかかった塊感をテーマにデザインされ、シンプルながらもマッシブさをベースにしながら、艶のある色気とスポーティさを併せ持つ佇まいを意識した、ひと目で流麗さを感じるグラマラスなプロポーションはタイヤまわりの存在感を強める味付けが大きな特徴となる。そして北米仕様に対してよりエレガントな演出がなされ、都会にも似合うスマートで上質なデザインとなっている。

 そんな新型ZR-Vは、ホンダのSUVとしてはヴェゼルだけが孤軍奮闘している現状で、ヴェゼルとCR-Vの隙間を埋めるという意味以上の商品性/存在感/アピール度があると思える。マツダで言えばSUVの売れ筋であるCX-5、トヨタならこれまた大人気のRAV4が直接的ライバルとなるわけで、このクラスのSUVが不在だったホンダSUVの勢いが、独自の運転&乗車感覚、そしてホンダらしい走りのテイストからも増すことは間違いないはずである。

* * *

 さて、今秋の発売予定となるホンダZR-Vだが、ひと足早くその姿を間近で見るチャンスがある。具体的には8月13~14日大阪梅田駅阪急ピッグマン前広場(10:00-19:00)、8月20日~21日東京駅イベントスペース(八重洲中央北口付近 10:00-19:00)、8月27日~28日名古屋JRゲートタワー(10:00-19:00)で特別先行展示が開催されるというから楽しみだ。

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  • ホンダZR-Vのフロントマスク
  • ホンダHR-Vのサイドシルエット
  • ホンダZR-Vのインテリア
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  • 青山尚暉(AOYAMA Naoki)
  • 青山尚暉(AOYAMA Naoki)
  • 学生時代からプロミュージシャンとして活動し、ある日突然自動車専門誌、輸入車専門誌の編集者に転身。その後、モータージャーナリストに。新車試乗記やクルマコラムの執筆だけでなく、1台のクルマに対して20カ所以上を独自開発ツールで計測する車両パッケージ解説にもこだわりまくる性分。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動し、愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿について情報発信。Web、専門誌、一般誌、ラジオ、TV、インターペット、キャンピングカーショーなどで「愛犬との快適安心な旅スタイル」を提言。小学館@DIME、PETomorrowなどでは愛犬とのライフスタイル、ドッグフレンドリーカー記事を展開中。カートップの連載「CT DOG」をまとめた『愛犬と乗るクルマ』はドッグフレンドリーカー選び、愛犬とのドライブ旅行のバイブルとなるムック本。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」「ムリしないで外車が買える本」「すごい海外旅行術」など。輸入車の純正ペットアクセサリーの企画、開発、デザインにも携わっている。趣味はスニーカー、バッグ、帽子の蒐集。今も音楽をいい音で聴くことにこだわり、愛車のサウンドシステムは総出力400W 10チャンネル9スピーカーで構成されるデンマークの「DYNAUDIO」。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~)。
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