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販売されていたら1億円!! 日産「R390ロードカー」のライトは「フェアレディZ」と「クーペフィアット」の流用だった!

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 日産自動車/Auto Messe Web編集部

もし販売されたら1億円以上の値がついた

 スポーツカーの中には、レースに出場するために作られたいわゆるホモロゲートミートバージョンという限定車がある。500台限定とか800台限定といったものが多いが、なかにはほとんどワンオフで製作され、ロードカーとして登録しただけで市販化されなかった特殊な例もある。1997年に登場した日産R390のロードカーもそうした一台。

 当時、ル・マン24時間レースのGT1クラスに出場するためには、最低1台の「公道を走行可能な仕様の登録車」が必要だった。そこで日産は、実質プロトタイプカーといえるR390を「GTカー」としてル・マン24時間レースに送り込むために、R390のロードカーを製作した。

 R390は日産とトム・ウォーキンショー・レーシング(TWR)がパートナーを組んで開発されたクルマで、設計はロータスのF1マシンやTWRのグループCカー(1988年のルマン優勝車ジャガーXJR-9LM)などを手がけたトニー・サウスゲートが担当していた。

エンジンは3.5L V8ツインターボを搭載

 モノコックはTWRの開発したジャガーXJR-15のものをベースに、エンジンはグループC時代に最強と言われた日産の3.5リッターV8ツインターボ「VRZ35Z」を搭載。レース仕様は650ps以上だったが、ロードモデルは350psにディチューンされたVRH35L型エンジンが搭載されている(レース仕様もエンジン形式はVRH35Lとなっているが、実質的にはVRZ35Zと変わらない)。

 外観上の違いは、レース仕様には大きなリヤウイングが装着されているが、ロードモデルはウイングレスで後端が跳ね上がるスポイラータイプのデザインになっている。また、細かいところでは、フェアレディZのヘッドライト、クーペ・フィアットのテールレンズを流用しているのがR390の特徴だ。

 タイヤサイズは、レース仕様がフロント280/35-R18、リヤ335/40-R18だったのに対し、ロードモデルはフロント245/40-ZR18、リア295/35-ZR19という組み合わせ。

残念ながら販売されることはなかった……

 神奈川県座間市の日産ヘリテージコレクションにあるR390のロードカーを見ると、ロードカーにはふたつのバケットシートが与えられている。本体は赤の革張りで、サイドのサポート部分はブラックのレザーを組み合わせている。ダッシュボードやドアの内張、ステアリングにも赤いレザーと黒いレザーが使われていて、さりげなくニスモカラーとなっており、ロードカーらしいシックなインテリアに仕上がっている。

 最終的に英国で登録され、ル・マンの出場条件をクリア。諸般の事情で、販売されることはなかったので、幻のロードカーになってしまった……(販売された場合、価格は1億円以上!?)。

 しかし、レースでは1998年に、星野一義/鈴木亜久里/ 影山正彦組の32号車が総合3位に入賞。日本人チームとしてはじめてル・マンの表彰台に立つことができ、日産のル・マン24時間レースへのチャレンジでは、最上位を記録したクルマとなった。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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