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バブルだから実現した三菱とAMGのコラボ! 「デボネアV 3000 ロイヤル AMG」はコスメチューンだった!?

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/三菱自動車/Auto Messe Web編集部

4ドアセダンの1車型でフォーマルにもパーソナルにも対応

 待望久しかったデボネアの2代目は、デザインテイストこそ違っていましたが、初代モデルと同様にスクエアな3ボックススタイルでまとめられていました。そして、そのスクエアなボディを強調したかのように、前後左右、4枚のドアはプレスドアとされ、幅広くとったCピラーにエクストラウインドウを設けて6ライト“風”なデザインとしたのも印象的でした。

 シャシーは、アッパー・ミディアムの4ドアサルーン、ギャランΣ/エテルナΣのプラットフォームをベースに、ホイールベースを135mmストレッチして採用。フロントのマクファーソン・ストラット式+コイルスプリング、リヤの3リンク式リジッドアクスル+コイルスプリングというサスペンションも、基本的にはキャリーオーバーとなっていました。

 ギャランΣなどでは上位グレードモデルに電子制御サスペンション(ECS)が採用されていましたが、デボネアでも3000ロイヤルなどの上位グレードには採用。これは運転状況によってサスペンションの特性をソフトorハードに切り替えられるだけでなく、ロードハイト(最低地上高)もノーマルからハイ&ローに自動切り替えできるもので、もちろん手動での変化も自由自在で、単なるフラッグシップ・サルーンではなく、スポーティな走りも十分に楽しめるパーソナル・セダンの要素も併せ持つことになりました。

 ブレーキは前後ともにサーボで強化されつつABSでコントロールされる、より高機能で高性能な4輪ディスクを採用。フロントにはベンチレーテッド・ディスクがおごられていました。搭載されたエンジンはともにV6のSOHCで、排気量が1998cc(ボア×ストローク=74.7mmφ×76.0mm。最高出力は105ps)の6G71 型と、2972cc(ボア×ストローク=91.1mmφ×76.0mm。最高出力は155ps)の6G72型の2種類でした。

 先代モデルと同様に2代目となったデボネアも4ドアサルーンの1車型で、ライバルのような2ドア/4ドア・ハードトップは用意されていませんでした。結果的に4ドアサルーンだけでフォーマル派のユーザーからパーソナル派までをカバーする必要があったからなのか、登場から3カ月後には、3000ロイヤルをベースに、当時からメルセデス・ベンツのチューナーとして知られていたAMGのエアロパーツを組み込んだ特別仕様が追加設定されることになりました。

 このあと、三菱はギャランにもAMG仕様を設定していますが、ギャランの場合は1989年の登場で、専用の外装だけでなく専用トランスミッションの採用や、エンジンへのチューニングなど機能面でもアップデートされていました。しかし、デボネアの場合はエアロパーツの組み込みと専用アルミホイールの採用がメインで、機能的にはベースモデルの3000ロイヤルと同一仕様とされていました。

 インテリアに関しては専用のステアリングホイールが目に留まります。デビュー当初はほかのモデルと同様にルーズフィットの、まるでソファとでも呼びたくなるようなシートが装着されていましたが、のちのマイナーチェンジで通常のシートに変更されることになりました。

 またこれもパーソナル志向のための施策だったのでしょうか、1988年にはイギリスの高級アパレルメーカー、アクアスキュータムとのコラボレーションで、彼らが手掛けた内装を持ったデボネア・アクアスキュータムも投入しています。残念ながら営業的には苦戦は免れませんでしたが……。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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