オドメーターは2万149km
現在のオーナー、すなわち出品者である「ザ・グランツーリスモ・コレクション」のオーナーは、2006年にこのF50を購入。その時点での走行距離はわずか700kmにすぎなかった。それから2万km近くを走行し、現在オドメーターには2万149kmという数字が刻まれている。
この間にもオーナーはロンドンのジョー・マカリをはじめとするフェラーリのスペシャリストに頻繁にメンテナンスを依頼。マニア垂涎のフェラーリ・クラシケによる認定も受け、それがこのF50のオリジナル性を証明している。
今回は落札ならず
F50はそれまでのオンロードモデルとは異なり、カーボン製のモノコックを採用し、それに513psの最高出力を誇る4.7LのV型12気筒自然吸気エンジンをリアミッドに搭載したモデル。しかもこのエンジンをモノコックタブにリジッドマウントし、それ自身を構造体として用いるというF1マシンそのものともいえる設計を採用した、きわめてスパルタンかつ趣味性の強いモデルなのだ。
フェラーリのコレクターとしては、RMサザビーズの掲げた325万~400万ポンド(邦貨換算約5億5250万円~6億8000万円)というエスティメートはかなり強気に感じるかもしれないが、これもコンディションに加えて、ファースト・オーナーのネームバリューが加わって、ということだったのだろうか。ちなみに、今回のオークションでは落札に至らなかった。