ノビテックがマセラティを手掛けた
フェラーリやランボルギーニ、そしてマクラーレンなど、数々のスーパースポーツをここ数十年にわたってチューニングしてきたノビテック。もちろんマセラティというブランドも例外ではなく、そのパフォーマンスのみならず、つねにラグジュアリー性が話題となるマセラティをベースとしたモデルも、これまで多くのカスタマーを魅了してきた。
そのノビテックから最新モデルが登場した。最新といえばベースはもちろん「MC20」だ。今回はクーペボディが素材としてチョイスされているが、近い将来オープン仕様の「MC20チェロ」をベースに新作が公開される可能性も非常に高い。マセラティにとって久々のミッドシップ・スポーツとなるMC20。はたしてノビテックはそれをどのようにチューニングしてきたのだろうか。さっそくディテールを紹介していくことにしよう。
0−100km/h加速を2.8秒で実現
チューニングの出発点は、リアミッドに搭載される3L V型6気筒ツインターボエンジンだ。その潜在的な能力をフルに引き出すため、ふたつの「NOVITEC N-TRONIC」モジュールが、エンジンの電子制御システムに組み合わされる。それによってインジェクション、ブースト圧コントロール、イグニッションに特別なマップを導入し、特性をよりダイナミックなものにする。
それを補完するために、ノビテックは精密にチューニングされたエグゾーストシステムをさまざまなバージョンで提供。よりスムースな排気を可能とするスポーツマフラーはもちろんのこと、さらに軽量で効率的な100セルスポーツ触媒も提供しパフォーマンスをさらに最適化する。
ちなみにすべてのエグゾーストシステムは高温断熱材で被われており、エンジンルーム内の温度を低下させることができる。さらにオプションではエグゾーストのバタフライバルブを制御してアクティブサウンドマネージメントを行うこともでき、またF1マシンでも使用される軽量なインコネル製のシステムをオーダーすることも可能だ。
さらに放熱性を高めるためにこれらのエグゾーストシステムには999ファインゴールドメッキが追加オプションとして用意されているのも見逃せないところである。テールパイプはカーボン、もしくはステンレス製で直径は100mm。そのデザインはリアエンドの輪郭によくマッチしている。
これらのチューニングの結果、最高出力はノーマル比で81ps増となる711ps、最大トルクも88Nm向上し818Nmとなった。このチューニングされた2シーターミッドシップは、0−100km/h加速を2.8秒で実現。またわずか8.4秒で0−200km/h加速をこなすという。最高速は325km/h以上である。同時にスロットルレスポンスやギヤのシフトプログラムも改善されている。