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国立の「自動車博物館」がトリノにありました! イタリアでは「クルマは文化でアート」である証拠を見学してきました

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

さまざまなレーシングカーが根付いていたイタリアだからスーパーカーが誕生した

 前半で、世界中のエポックメイキングなクルマたちを、生産国やメーカーに拘ることなく集めていることが分かります、と言っておきながらその舌の根も乾かないうちに、とお𠮟りを受けるかもしれませんが、フェラーリやアルファロメオ、あるいはランチアやマセラティ、さらにはチシタリア、イソなどイタリアンメーカーのクルマの展示が多いのも事実。

 しかしこれは“国産車”だから身びいきしたのではありません。展示されているイタリア車の多くはサーキットを席巻したレーシングカーであったり、ロードレースで大活躍したスポーツカーだったりするわけで、それはとりもなおさずイタリアにレーシングカーが根付いていることにほかなりません。

 だからこそイタリアからは、ロードカーとレーシングカーの境目にあるスポーツカーや、さらにパフォーマンスを磨いてプレミアム性を高めたスーパーカーが数多く輩出されてきたのでしょう。クルマファンとしてこれはもう嬉しい限りです。

 その一方でレーシングカー志向が全てではない、というのも納得でした。これはヒストリックなコンパクトカーが主役となる展示コーナーが少なくなかった……1955年式フィアット600と1958年式ACMAヴェスパ400、そして1968年式フィアット“Nuova”500の3ショットが端的に表しています。

 そんな3ショットに代表されるように、MAUTOでは収蔵車両の展示方法についてもいろいろなトライがなされていました。1928年式のアルファロメオ 6 C 1500 ミッレミリアなどはボディを剥ぎ取られてローリングシャシー状態で壁に貼られて展示されていたのです。

 ちょっとかわいそうとも思いましたが、注目を集めるのは間違いなく、パッケージングの詳細を確認する上ではベストな展示方法とも思われました。また1956年式のフィアット・ムルティプラが海辺のキャンプ地に佇むシーンからは、楽しさが十分すぎるほどに伝わってきます。個人的にはフィアット500をベースにしたヴィニャーレ・ガミネが刺さりました。

 前回訪れたときには初めて出会ったフィアットのテュルビナに心を奪われてしまったのですが、今回は2度目とあって感激もそこそこ。移り気な身を反省しながらも、今回が初対面のヴィニャーレ・ガミネに心を奪われてしまいました。フィアット508バリッラにも通じる2座オープンのデザインもさることながら、フィアットの500という日常ベストなコンパクトカーでもオープンスポーツに仕立て上げてしまうラテンのノリに、極東の老いぼれはもう白旗状態となったのです。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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