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セダンにF1のエンジンを搭載! アルファ ロメオ「164プロカー」の0−100キロ加速はブガッティより速い2.1秒でした

セダンにF1のエンジンを搭載! アルファ ロメオ「164プロカー」の0−100キロ加速はブガッティより速い2.1秒でした

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: Stellantis N.V./AMW編集部

アッパーミディアムな164の中身は完全なレーシングマシンに

FISAの思惑に翻弄された格好となりましたが、アルファ ロメオ164のプロカーレース仕様は、素晴らしいレーシングマシンに仕上がっていました。ベースとなった……正確に言うなら同じシルエットを持ったアルファ ロメオ164は、フィアットが傘下のランチアや、サーブとともに進めてきた共同開発プロジェクトに遅れて参入する格好で“ティーポ4プロジェクト”に参画。1987年のフランクフルトショーでお披露目されたアルファ ロメオのアッパーミディアム4ドアセダンです。

先行した3車=フィアット・クロマやランチア・テーマ、サーブ9000がいずれもイタルデザインが手掛けたスタイリングを有していたのに対し、164はピニンファリーナがデザインしたボディを纏っていました。プロカーレース仕様とは関係ありませんが、164の市販モデル(ロードカー)に搭載されていたエンジンは2L直4のNAとターボ、3L V6、2.5L直4のターボディーゼル。2L直4のNA仕様と3L V6は自社製でしたが、2L直4ターボはフィアット製、2.5L直4ディーゼルは専門メーカーで現在はステランティス傘下のVMモトーリ製が選ばれていました。アルファロメオ164

同じ164の名を持つプロカー仕様ですが、ロードカー(市販モデル)と全く違ったパッケージで仕立てられています。すなわち、カーボン・コンポジット製のモノコックフレームを採用し、そのリアミッド部分に排気量3.5Lの自然吸気72度V10、ツインカム(V型だから4カム)40バルブというスペックから1万2000回転で600psを絞り出すV10 35ユニットを搭載。

シャシーはブラバムが担当

シャシーを開発したのは、それまでのF1プロジェクトでアルファ ロメオと関係を築いてきたブラバム/MRD。カーボン製のモノコックに組み付けられたサスペンションは前後ともにダブルウィッシュボーンで、プッシュロッドを使ったロッキングアーム式インボードタイプとされていました。

全長とホイールベースは車両規則通りロードモデルと同一の4555mmと2660mmとなっていて、フロントが9.00×17、リアが13.50×17と極太タイヤを装着していたにも関わらず、前後のトレッドも1515mm/1488mmとロードモデルと同サイズです。

車両重量は規定通りの750kgと極めて軽量に仕上がっていて、最高速は340km/h、発進加速は0−400mが9.7秒、0−1kmが17.5秒。0−100km/h加速は2.1秒と最速“ツーリングカー”の名をほしいままにしていました。

レースは開催されなかったのですが、1988年のイタリアGPでは金曜日のフリー走行が終了したあと、リカルド・パトレーゼのドライブによってモンツァを走行。V10の甲高いレーシングサウンドを発しながら330km/h以上でストレートを疾走し、ファンを魅了したと伝えられています。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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