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698万5000円で手に入る「非日常」の1台! ただのドライブを冒険に変えるケータハム「170R」で旅に出たくなりました【AMWリレーインプレ】

698万5000円で手に入る「非日常」の1台! ただのドライブを冒険に変えるケータハム「170R」で旅に出たくなりました【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 西山嘉彦(NISHIYAMA Yoshihiko)  PHOTO: AMW 西山嘉彦

もとオープン2シーター乗りが「R170」を斬る!

AMW編集部員がリレー形式で1台のクルマを試乗する「AMWリレーインプレ」の最後を務めるのは、編集長西山。撮影も編集者自らが担当する当企画、日中はとても試乗&撮影ができるゆとりのない西山は、どうしても深夜のインプレとなってしまうのです。初めての愛車がオープン2シーターであった西山に、ケータハム170Rはどのように映ったのでしょうか。

16年前の記憶は鮮明だった

冷気が頬を刺すような寒さのなか、恐怖とともにトラックを抜きさりながら走った首都高を思い出した。2007年の春先、時刻はやはり午前零時過ぎ。革ジャンのフロントジップを閉めて、革手袋にニット帽という出立ちでも、花冷えの寒さが身に染みた夜のドライブだった。

いま青山通り赤坂見附陸橋を走らせているのは、16年前と同じケータハムだ。ただし、眼前にはウインドスクリーンがない。一応、エアロスクリーンがあるにはあるが、スピードを出さなければ役に立ちそうもなく、役に立つと言ってもマクラーレン エルバのようにはいかないだろう。つまり、ヘルメットかゴーグル着用でどうぞというわけだ。

当企画、いつもなら夜の首都高を走って自宅の横浜まで一旦は帰宅するのだけれども、今回だけは時間の制約ではなく身の安全のために、編集部のある神田神保町を起点とする真夜中のドライブとなった。

小さなステアリングホイールを握ったまま、左手の中指でウインカーのトグルを操作するのも、不思議と身体が覚えていた。コロナ禍が落ち着いてきたとはいえ、深夜の都心を走るクルマの数は以前ほどまでは増えてはいない。皇居沿いに内堀通りを走って赤坂見附陸橋から青山通りへと抜ける道は、さながらアップダウンのあるワインディングロードだ。

日本旅行作家協会なるものの末席を汚させて頂いている身なのだが、そんな私には旅のテーマがある。それは「道」。しかも車輪のついた乗り物で辿る旅である。

これまで携わってきた雑誌では、必ず長距離旅インプレ企画を担当していたのはそのためであるが、ある時からクルマで旅するだけでは飽き足らず、自転車、しかもBD-1という折りたたみ自転車で旅することに目覚めてしまった。

走りなれた道が未知のロードに

五街道走破を皮切りに、関東近辺の半島一周などにチャレンジして、昨年は四国お遍路を通し打ちまでしてきた。それらの道の大部分は、かつてクルマで走ったことのあるところばかり。しかし、のんびり走る折りたたみ自転車での旅は、五感に入ってくる情報量の多さゆえに、改めて日本を再発見させてくれたのである。日本全国津々浦々(北海道を除く)、クルマでいろんなところを訪れたことはあったけれど、そうして訪れた各地の名所は観光ガイドブック的な記憶しかなく、自分の経験として身体に染み込んでいないことがほとんどでることに気がついた。これでは訪れたことがあるとはいえないのではないか? と、つねづね疑問に感じるようになっていたのである。

深夜の青山通りなんて、編集者という不規則な職業柄、日常的に走り慣れている。なのに、170Rで走るとすべてが新鮮に目に飛び込んでくる。冒頭に述べたように、赤坂見附陸橋がワインディングなら深夜の神宮外苑の周回路は、さながらオーバルのサーキットだ。初めてではないのに、運転が純粋に楽しい。本当は皇居をぐるっと一周して編集部に戻るつもりが、外苑まで足を伸ばしていることが、その証拠だ。

クルマを運転しているけれど、感覚はどこか自転車的である。身体を取り巻くものは、もっとも身体に近いものから衣服、その次にクルマがあって、仕切られた部屋、さらに個人住宅やビル、大規模建造物、ランドスケープ……と身体からどんどん外界に向かって広がっていくものなのだけれども、170Rは衣服とクルマの中間のような存在だ。クルマのように外界からは遮断されておらず、ドライバーズシートに座ってもプライベートな空間を保つことが出来ない。自らの身体を剥き出しのまま運転している感覚は、自転車で車道を走っている感覚に近い気がするのだ。

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