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最新のケータハム「セブン170R」に42年前の「セブン」オーナーが乗ってみた! 形は同じでも走りは別次元に進化してました【AMWリレーインプレ番外編】】

最新のケータハム「セブン170R」に42年前の「セブン」オーナーが乗ってみた! 形は同じでも走りは別次元に進化してました【AMWリレーインプレ番外編】】

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: AMW 竹内耕太

シンプルすぎる姿のまま愛され続ける英国ライトウェイト・スポーツカーの名作

AMW編集部員がリレー形式で1台のクルマを試乗する「AMWリレーインプレ」。英国ライトウェイト・スポーツカーの極北と言うべきケータハム「セブン」のなかでも「史上最軽量」をうたう「170R」をお題に、今回は番外編をお届けする。1981年式のケータハム「スーパーセブンGTスプリント」に30年以上も乗り続けている自動車ライター、長尾 循氏に、最新のセブンに乗ってベテランオーナーの目線でレポートしてもらった。

1957年に「ロータス・セブン」として誕生

ロータス「エリート」とともに1957年のロンドン・ショーにてデビューしたロータス「セブン」。この2台のスポーツカーは非常に対照的で、エリートが四輪独立サスペンションにFRPモノコック・ボディという非常に凝った設計の革新的なスポーツ/GTクーペだったのに対し、もう一方のセブンは前任のロータス「マーク6」のコンセプトを発展させたもの。すなわち、財布の軽い若者がクラブマンレースを楽しむために生まれた一種の「パーパスビルド・マシン」で、チューブラーフレームにアルミの外皮を貼ったシンプルな構造の、走る機能以外は何もついていない軽量スポーツカーであった。

イギリスの多くの小規模スポーツカー・メーカーの例に漏れず、ロータス・セブンもまた自動車購入時にかかる物品税が免除されるキットカーの形態でも売られたので、多くのセブンはバラバラのパーツとして販売され、購入者が自宅のガレージで完成させた車両も多い。

その後セブンは1960年には量産化に適した改良と少しだけロードユースも考慮した性格に振ったシリーズ2、1968年にはさらにシャシーを強化したシリーズ3、そして1970年には当時アメリカ西海岸を中心に流行を見せていたバギーのイメージをとりいれたシリーズ4へと進化していった。その進化の途中、高性能エンジンを搭載したモデルがラインナップに加わると、それらは通常モデルと区別されスーパーセブンと呼ばれた。

デビュー以来、唯一無二のピュアスポーツとして根強いファンに支えられてきたセブンだったが、つねに「次の一手」を追い続けるロータスの総帥、コーリン・チャップマンからすれば、1950年代生まれのスパルタンなセブンは1960年代後半時点で「すでに過去のもの」。1973年、ロータスはついにセブンの生産を中止して、すでに量産が軌道に乗っていた「ヨーロッパ」をその後継車に据えた。

ケータハムがセブンを引き取ってから50年

ここでロータス・セブンの歴史には終止符が打たれるのだが、セブンの販売代理店であったケータハム・カーセールス(当時)のグラハム・ニアーンは、まだこのスポーツカーのニーズは根強いと判断。チャップマンと交渉の末、セブンのパーツと生産設備、一切合切の権利をロータスから引き取り、「ケータハム・スーパーセブン」として生産・販売を担うこととなった。ここにセブンの第二の歴史がはじまったのである。

ちなみにロータス時代は通常モデルが「セブン」、高性能バージョンが「スーパーセブン」と使い分けられていたが、ケータハム時代となってからは搭載されるエンジンに関わらず基本的には全て名称が「スーパーセブン」に統一された。

2023年は、ケータハムがセブンの権利を受け継いでからちょうど50年という節目の年となる。いっときは全て「スーパーセブン+グレード名」だった車名も、現在では「セブン170S」とか「セブン480S」など、ふたたびスーパーの文字が外されて「車重1tに対する馬力数」がグレード名となっている。

ともあれケータハム・スーパーセブン/セブンの造られ続けてきた時間は、すでにロータス・セブンの歴史の3倍以上となっているのである。このことは、セブン乗りのはしくれとしても感慨深いものがある。

筆者の愛車は1981年式スーパーセブンGTスプリント

いや、申し遅れたがじつは筆者、ケータハム・セブンならぬ「ケータハム・スーパーセブン」のオーナーなのである。所有しているのは1981年式でグレードは「GTスプリント」。当時はロータス・ツインカムに代わって登場したBDRエンジン搭載モデルが最強グレードで、その下が1.6L OHVのフォード・ケント・ユニット+ツインキャブのGTスプリント、そしてベーシック・グレードがケント+シングルキャブのGTと、基本、全部で3グレード。松竹梅、みたいなシンプルなラインナップだった。で、そのGTスプリントを1986年に中古で手に入れて以来、ずっと乗り続けているわけであります。

そんな筆者がケータハムの最新モデル、ケータハム・セブン170に乗る機会を得た。セブン170とは、ご存知のようにスズキ製660ccエンジンを搭載し、日本の軽自動車規格に収まるように車幅を狭めたモデルで、ロードユースを前提とした170Sと走りに特化したケータハム史上最軽量の170Rの2車種がラインナップされている。そして今回の試乗車は、よりスパルタンな170Rの方。

ケーターハム・オーナーとしては今回の試乗はどうしても「同じケータハム・セブンでも最新モデルと40年前のヤツはどう違う?」という視点になりがちなのはご容赦を。

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