穏やかな田舎の村で休息
ドイツ在住でモータースポーツをメインに取材する池ノ内みどりさん。愛車のBMW「M240i xDriveカブリオレ」で東奔西走しています。今回は取材のためイタリアへ。取材終了後、夕方にはローマを脱出し、100kmほど離れた田舎の村で宿泊。素敵な出会いとグルメにありつけました。
ローマの通勤ラッシュは危険!?
普段はドイツに住むライターが遭遇したイタリアのあれこれは、まだまだ続きます。もう少しお付き合いくださいね。
少し前に、イタリアでフィアット「パンダ」にめちゃくちゃ煽られたことを書きましたが、イタリアではどの車種が最も売れているのか気になって調べてみました。
2023年の上半期で、イタリアで最も売れたクルマは……やはり、フィアット パンダでした！ どうりで、どこを見てもパンダだらけ、パトカーでさえパンダ！ 日本で最も販売されているクルマがホンダのN-BOXなら、イタリアはパンダです。ちなみにドイツはVW「ゴルフ」。こちらも王道で、一体いつから首位を独占しているのかわからないくらいです。
どこの国もコンパクトで乗りやすいクルマがよく売れるのでしょうか。ちなみに、イタリア同様にフランスでもドイツナンバーのクルマはよく煽られるのですが、フランスの販売台数No.1はルノー「クリオ」（日本名ルーテシア）だそうです。そうそう、このクリオにも……。なので、クリオやパンダは見掛けるとちょっと憂鬱な気分になります（笑）。
ところで、今回のイタリアの旅では日曜日にローマでレース取材があった後、すぐに予約をしていた田舎の宿へとクルマを走らせました。というのも、前にお伝えしたように、ローマの交通は本当にカオス！ 後泊をして月曜日の朝に出発しようものなら、大変な渋滞とめちゃくちゃなイタリア人の運転に冷や汗をかかないといけなくなりますので、疲れていても日曜日にローマを出る作戦です。
私の旅の醍醐味は、いつも前日や当日に宿や行先を決めるテキトーさにあります。急いで帰らなければならない時は別として、なるべく面白いルートを通りたい派なのです。観光客がほとんどいないようなド田舎の美しい道は特に大好きですね。
美味しいピザに舌鼓をうつ
この日、ローマを遅い夕方に出発し、約100kmを北東にあるロッカ・シニバルダという美しい小さな村へと向かいました。超田舎の酷道をひたすらクネクネ走り、途中にもちろんパンダにも煽られ、宿には夜に到着しました。そもそもアジア人なんか誰もいないような村なので、クルマを降りた途端、村の方々が「ボンジョルノ！」と寄ってこられてビックリしました。
予約した宿はとても安く、またキレイ！ 宿の一階がピッツァリアでしたので、シャワーを浴びてすぐにピザを注文しました。
トリフとポルチーニのピザが9.50ユーロ。ミュンヘンなら軽く20ユーロ以上しそうです。大きさも直径30cmほどもあり、とてもじゃないですが独りでは食べきれません！ お持ち帰りをして次の日の道中で食べましたが、冷めてもものすごくおいしくて、できればまたもう一度食べにいきたいくらいです。宿のオーナーさんは長年ローマにお住まいで、Uターンをしてこの宿とピッツァリアをオープンされたとか。便利なグーグル音声翻訳を利用して、会話をとても楽しみました。
この夏は特に暑く、イタリアの友人によると40℃を余裕で越えた日が続いて灼熱地獄だったそうです。私も今回の旅の道中やローマでの仕事の日々はめちゃくちゃ暑くてビックリしましたが、訪れた村は標高が非常に高いせいか、ローマよりも随分と快適でした。ローマの宿にはエアコンがなく、連日暑すぎて眠れなかったせいもあり、この宿ではぐっすり眠れたのが本当にシアワセでした。
