クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • LIFE
  • 「トナラー」は駐車が苦手な人が多いと感じるのは気のせい? 誰もいないところのほうが楽に停められますよ【Key’s note】
LIFE
share:

「トナラー」は駐車が苦手な人が多いと感じるのは気のせい? 誰もいないところのほうが楽に停められますよ【Key’s note】

投稿日:

TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 写真AC/AMW

  • 隣に止めてくるやつ
  • 白線はもちろん最近では色分けしたりポールを立てたりと目立つようにしているところが多い
  • 駐車が苦手な人は停めやすいスペースを見つけるのが苦手なのかもしれない、と木下さん
  • 駐車が苦手という人は多い
  • 自分にとって停めやすい駐車スペースを見つけることが大事
  • ガラガラなのに隣に停めてくるのはなぜ?

なぜガラリと空いているのに隣へ停めるのか

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「なぜトナラーが存在するのか」です。空いている駐車場でわざわざ隣に停めてくる人のことはトナラーと呼ばれています。そして、トナラーは駐車が得意ではない方が多い気がすると木下さんは語ります。そんな木下さんが語る、駐車の極意とは?

わざわざ停めにくい状況にしていると思うのは筆者だけ?

郊外のショッピングセンターやスーパーマーケットなどで、車両駐車スペースに余裕があるのにもかかわらず、わざわざ隣に停めようとしてくるドライバーがいますよね。

「こんなに広いなのになぜ?」

そんなドライバーのことを「トナラー」と茶化して呼ぶそうです。「隣」を文字って「トナラー」としているとのこと。

個人的には、アンチトナラーです。横に並ばれるとドアが開けづらいですし、ドアパンチされる危険性もあります。ラーメン屋やチケット売り場などで並ぶのも苦手。他人がパーソナルスペースに踏んでくると、拒絶反応が芽生えるからです。

最近はクルマのサイズが日増しに肥大化していますから、旧来の駐車スペースは狭く感じています。ですからさらにトナラーが気になってしまうのです。

こういっては失礼なのですが、トナラーは傾向的に駐車が得意ではない方が多いですね。あくまで僕の経験的な判断ですが、わざわざ寄せてくるのにうまく駐車できず戸惑っている。だったら、右も左もいないスペースに停めれば、そんなに緊張しなくてすむのになぁと心配してしまうのです。

トラナーには、広場恐怖症の疑いがあるそうです。もしくは、無意識なのでしょうね。無意識であるというのは、じつは怖いものです。運転の安全性や、他人への心理的なストレスに無頓着な場合が多いですから、それを空気感として意識してしまう僕は、さらにストレスが積み重なるのです。

クルマに寄せることで駐車の目印になると解釈する人もおられますが、最近はご丁寧に白線やポールでエリアを際立たせている場合が少なくありません。なにも任意のクルマを目印にしなくてもすむような気がするのですが、いかがでしょうか。

駐車場

それでいて、駐車に苦労している場面を見かけます。わざわざ寄せてくることで、むしろ駐車の難易度を上げているのが不思議ですよね。

「スムーズに駐車する方法は?」

そんな内容の原稿依頼をいただくこともありますが、そんな時には僕はこう答えます。

「停めやすいところに停めましょう」

ハンドルを右に切って左に切って、前進してバックして……と懇切丁寧にアドバイスすることもできますが、もっとも簡単なのは停めやすいところを見つけ、そこに停めることです。

狭いスペースでの駐車は慣れたドライバーでもストレスを感じるものです。ですから、隣にクルマのいない広いスペースや、まっすぐバックすればそれですむスペース、もしくは直線的に前進して停めるのが許されたスペースを探すこと、これがもっともイージーな駐車技術なのです。トナラーさんはその逆パターンですね。

ある広大な砂漠の国に、竿竹のような長い槍で猛獣をしとめる名人がいました。一撃で仕留めなければ逆襲に遭います。さぞかし筋骨隆々の、槍投げアスリートのような屈強な男かと想像していたら、その狩人は痩せほそった骨と皮だけの老人でした。

そうです。槍を遠くから投げて命中させるのではなく、気配を殺して猛獣の背後まで忍び寄り、手に持った槍でお尻をひと突きする。それがもっとも効率がいいのだそうです。だから名人と呼ばれる。

閑話休題。

駐車の名人になるためには、狭いスペースに素早く停めることではなく、停めやすいスペースを見つける能力なのです。トナラーと狩の名人の比較に意味があるのかわかりませんが、停めやすいところに停める。これが極意だと思います。いかがでしょうか?

すべて表示
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS