サーキットイベントがサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催予定

各テストでは、モータースポーツから得られた高度なテレメトリーと専門家による評価を組み合わせている。専門のソフトウェアがリアルタイムのデータを分析し、わずかな異常も検出する一方、ブガッティの厳格な仕様に基づいて訓練されたドライバーが、車両の性能とハンドリング特性に関する貴重なフィードバックを提供する。

2025年2月にフランスのポール・リカール・サーキットで開催されたプレミアイベントに続き、2025年5月に米国テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズでイベント「第2回フィーリング・ザ・トラック」が開催される予定だ。

AMWノミカタ

一般的にこのようなテストは開発段階でされるものと思われるが、ブガッティの驚くべき点は、顧客に納車する1台1台にこのようなプロセスを課す点にある。ベントレーも出荷前に公道を約100km程度試走するというが、これは主に音や振動のチェックであり、当然ここまで激しくクルマの性能を試すものではない。

ボライドはサーキット専用モデルとして誕生したクルマで、日常的には使われることはないが、いざ走るときは限界性能を常に求められる環境にある。小さなエラーが大きな事故を引き起こす可能性を多分に秘めていることも、ここまで厳格にシェイクダウンを行う理由の一つとしてあるのであろう。

そして新車にトラブルはつきものである。顧客にとっても卸したての新車でそのままサーキットを走るようなことはしたくないだろう。そのような意味でもこのシェイクダウンは顧客に絶対の安心感を与えるのに必要な重要なプロセスとなるのだろう。ブガッティの顧客を絶対に失望させないという強い信念がうかがえる。