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ダイハツ「エッセ」を徹底してダイエット! 軽カーだけのレース「東北660選手権」に参戦するためにオーナーがこだわったカスタムとは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • 東北660選手権に参戦する竹中康平選手
  • ダイハツ エッセ:コンデンサーを1段おきにカット。エアコンの効きこそ悪くなるが冷却と軽量化に貢献する
  • ダイハツ エッセ:ルーフにはボルテックスジェネレーターとフラップが。意外なほどの効果があったようだ
  • ダイハツ エッセ:リアのナンバープレート横にさり気なく開けたダクト。ネットはボディと同色に塗装する
  • ダイハツ エッセ:通算で3機目となるエンジン。同じKF型エンジンでも年代によって中身は結構な違いがあるとのことだ
  • ダイハツ エッセ:エアクリーナーは遮熱などを考えて純正を使用し、ダクトでフレッシュな空気を送り込む
  • ダイハツ エッセ:バッテリーの軽量化は定番中の定番だが、軽さだけではなく電圧が十分であるかも重要
  • ダイハツ エッセ:2024年までのタイヤはブリヂストン製ポテンザ アドレナリンRE004。2025年はブリヂストン製ポテンザ RE-71RSが有力か?
  • ダイハツ エッセ:シンプルに仕上げたコクピット。メーターは中央が回転で右が水温、左は油温となっている
  • ダイハツ エッセ:ハートビートのFRPボンネットとリアゲートを装着。軽いうえにリーズナブルだと人気だ
  • ダイハツ エッセ:2024年はどのコースでも安定した成績を残し、東北660選手権のシリーズ2位に輝いた竹中康平選手のマシン

エビスサーキットでのレースシーンが挑戦のきっかけに

開催15年目を迎える「東北660選手権」では、注目の若手ドライバーたちが激しいバトルを繰り広げています。その中で、竹中康平選手の成長は見逃せません。最初は軽自動車レースに乗り気ではなかった竹中選手が、エビスサーキットでのある光景に心を奪われ、エッセでの挑戦を決意しました。2021年から参戦を開始し、その後驚異的なスピードで実力を伸ばしています。

パワーに頼らず腕を競い合うレースの魅力

新たなシーズンの開幕が迫る東北660シリーズ。最も古いカテゴリーである新規格NAによるレース「東北660選手権」は早くも15年目を迎える。2024年に大きな飛躍を遂げたドライバーや、2025年の注目株をピックアップして紹介したい。

激戦区である3クラスを戦い抜き、シリーズ2位の好成績を収めた竹中康平選手は、軽自動車のレースに乗り気ではなかったという。そんな気持ちをガラリと変え、エッセを手に入れたきっかけは、行きつけのプロショップ「ガレージ・カリノ」から誘われ、観戦しに行ったエビスサーキットの西コースでのワンシーンだ。

決して広くはない1コーナーに3台のマシンが横並びで進入し、互いに接触することなくクリーンで接近戦を繰り広げ、タイトな2コーナーを立ち上がり全開で加速していく。車種こそ違えどチューニングできる範囲が狭く、パワー勝負にならず乗り手の腕を競い合える。まさしく東北660選手権を象徴する光景で、竹中は一発で虜になったと話す。

ガレージ・カリノのサポートでエッセをレースカーに仕上げ、参戦開始

すぐにガレージ・カリノの狩野代表と同じダイハツ「エッセ」を購入し、レースカーとして作り上げ2021年から参戦を開始した。当初は慣れないローパワー車に手こずることもあったが、豊富なノウハウを持つガレージ・カリノのサポートと練習の成果が表れ、着々とタイムを上げていく。

2024年はスポーツランドSUGOの開幕戦で予選3番手から優勝、第2戦ではポール・トゥ・ウィンにくわえてファステストラップも獲得。第3戦も3位と3連続で表彰台に立ち、シリーズ争いの大本命に躍り出た。最終戦は惜しくも6位でフィニッシュし王座を逃したが、実力的には2クラスでも上位を狙えるレベルに達しており、2025年は2クラスへのステップアップを宣言している。

その練習を兼ねて参加したセミ耐久の特別戦では、初のハイグリップタイヤながら2位でフィニッシュ。2025年の活躍を予感させる結果となった。マシンは2回のエンジン載せ替えを経て現在3機目だが、接触もなく何年も戦ったレースカーとは思えないほど。

レギュレーション内で徹底した軽量化を追求

レギュレーションで極端な改造はできないが、その代わりこだわったのは徹底的な軽量化だ。ボンネットとリアゲートはハートビートのFRP製に交換し、不要なパーツはすべて取り外し、バッテリーも軽量タイプに交換している。さらにエアコンのコンデンサーも1列おきに削る徹底ぶり。

空力も重視しており、定番であるリアバンパーのカットは空気の抜けだけでなく、見た目の美しさも追求している。手作業で雑に切っただけのクルマが少なくない中、穴の面積を最小限にとどめてボディ同色の網も装着し、いかにも加工した感が出ないよう工夫したという。3クラスから2クラスに上がったドライバーは、ハイグリップに慣れずタイムを落としてしまうこともあるが、そんなギャップにもすぐ順応した竹中選手。2025年は2クラスでもシリーズ争いを繰り広げる予感がする。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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