ひび割れや偏摩耗もしっかり点検
4月になり暖かい日が増えてくると、スタッドレスタイヤの出番もそろそろ終了となります。夏タイヤに交換するタイミングとなりますが、いま装着しているスタッドレスタイヤは来シーズンも使えるか見極める時期にもなります。ここでは、処分するかどうかの見極め方法をお伝えします。
腹八分目で交換してしまうのがベスト
「タイヤとバッテリーはケチってはいけない」
クルマのエキスパートたちから、異口同音に聞かされる訓えだ。とくに氷雪路のように条件が悪い状況では、タイヤの性能への依存度がMAXになるので、スタッドレスタイヤのコンディションには大いに気を配りたい。スタッドレスタイヤは、まだ使えそうな気がするうちに、腹八分目で交換してしまうのがベストと言える。この春、夏タイヤに交換する際に次の点をチェックしてみてほしい。
プラットホーム
スタッドレスタイヤの溝の部分には、冬用タイヤとしての使用限度を示すサイン=「プラットホーム」がついている。ブリヂストンのタイヤの安全に関する調査結果によると、雪国を除いた地域のドライバーの約8割が「プラットホーム」の存在を知らなかったとのこと。
プラットホームとは、新品タイヤが50%摩耗したことを示す段差のこと。プラットホームが露出した場合、冬用タイヤとしての寿命は終えたことを意味している。したがって、タイヤ交換時にはプラットホームを確認し、残り溝の深さを確認すること。
また、スタッドレスタイヤの新品時の溝の深さはおよそ10mm。その半分となる5mm程度になるとプラットホームが露呈するわけだが、ウインターシーズンの終わりにプラットホームまで1mm。つまり溝の残りが6mm以下の場合、そのタイヤはもう保管しないで処分したほうがいいだろう。
タイヤの鮮度
タイヤ=ゴム製品は鮮度が命。走行距離が短いタイヤでも、1度熱が入ったタイヤは経年劣化でどんどんゴムが固くなり、グリップ力が衰えていく。そのため、3~4シーズン使ったタイヤは交換時期だと考える。
タイヤの製造年週は、サイドウォールに刻印されているので、それを見ればすぐに確認できる。国産タイヤだとアルファベット3文字の横に4桁の数字が書かれており、それが「0522」と記されていたら、22年の第5週=2022年2月の製造だとわかる仕組みだ。
硬度を計る
最後はゴムの硬度を計ってみる方法だ。
雪や氷の上でタイヤがグリップするためには、ゴムが柔らかくなければならない。このゴムの硬さを測定するのに、タイヤ用のゴム硬度計というツールがある。新品のスタッドレスタイヤのトレッド面の硬度は、35~45度。これが55度を超えるようだとそろそろ交換時期となる。60度を超えたら即交換レベルだと思えばいい。
タイヤの硬度計はネット通販などで安いもので2000円ぐらいから購入できるが、タイヤショップや大手カー用品店などに行けば、無料で測定してもらえるはずなので、こうしたサービスを利用しよう。
タイヤの硬度は1年に10度ほど硬度が固くなっていくといわれているので、計ってみて硬度が55度を超えてきたら、未練無用で処分してしまうのが賢明だ。
それに加えて、ひび割れや偏摩耗もしっかり点検し、それらが目立つようなら、お払い箱へ。スタッドレスタイヤの性能は年々進化しているので、フレッシュタイヤの安心感は格別だ。
疲れたタイヤには、「たくさん仕事をしてくれてありがとう」と感謝しつつ、今シーズン限りで勇退してもらうのが1番だ。