クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • FUTURE
  • 全国販売を目指す電気自動車AIM「EVM」!元GRのエンジニアと元日産デザイナーが手掛けたシティコミューターの予想価格は190万円
FUTURE
share:

全国販売を目指す電気自動車AIM「EVM」!元GRのエンジニアと元日産デザイナーが手掛けたシティコミューターの予想価格は190万円

投稿日:

TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)

  • AIM EVM:アンドロイドオートとアップル・カープレイに対応したディスプレイが標準装備されるから、ナビに困ることもない
  • AIM EVM:ボディパネルも鉄板である。樹脂を使うよりも安くできるそうだ
  • AIM EVM:シャシー設計は元トヨタでGRなどを担当したエンジニアが行っている
  • AIM EVM:荷室スペースも確保されている
  • AIM EVM:1充電で120km走る
  • エイム取締役の岩田智行氏(左)と中村史郎氏(右)
  • AIM EVM:今回公表されたモデルはまさにプリプロダクションモデル

中村史郎氏がボディデザインを担当した

エイム(AIM)は1998年に創業した新興企業ですが、単なるエンジニアリング会社……。というより、社長である鈴木幸典氏のクルマに対する情熱の強さを数年前からことあるごとに聞いていました。いまもっとも勢いのある同社を人とくるまのテクノロジー展のブースで取材しました。

自製エンジンで2009年のル・マンに参戦!

本題に入る前に、これまでのエイム(AIM)の実績を少し紹介する。2005年にエイムはル・マン挑戦を決意。驚くことにエンジンを自製したのだ。AIM Power YS-01と名付けられたこのエンジンは、ジャッド(英国のレーシングエンジンビルダー)がチューニングを行い、オレカ01に搭載されてル・マンのLMP1クラスに出場。2009年には総合5位。そして2010年には総合4位に入り、当時ディーゼルが全盛を極めたなかで、ガソリン車としてはトップでゴールを切った。

その後、2012年にはグリーン自動車プロジェクトを開始し、翌年にはAPM120という名のEV・HEV駆動用のモーターを完成させる。さらに発展したEVモーターは、ロンドンバスにも使われ、このモーターを搭載したAIM EV SPORT 01と呼ばれるスポーツカーが2023年のオートモビルカウンシルで公表された。

クルマは社長自らドライブしてグッドウッドでも走行している。また、社長の鈴木氏は大のクルマ好き。趣味でレジェンド・レーシングカーであるポルシェ「906」を所有して、走らせているのだ。そして本題のAIM EV MICRO 01は、2023年のジャパンモビリティーショーで公表した。

シャシー設計は元トヨタでGRを担当したエンジニア

その当時すでに沖縄でクルマを作るなど、具体的な計画も明らかにされていた。今回初めて沖縄ナンバーの付いた実車が人とくるまのテクノロジー展のブースで展示され、このクルマをデザインした元日産のデザイナー中村史郎氏もいたので話を伺ってみた。

沖縄でナンバーを取得した理由は、全国一律でやる場合は型式指定を取る必要がある。これは非常に難しいため、いわゆる認証式の持ち込み車検でナンバーを取得しているそうだ。エイムは自動車メーカーというわけではないので、型式指定を取得するのは至難の業なのだそうである。とはいえ、小さいからといって手を抜いてないぞ! とも強調されていた。

とりわけデザインのみならず、シャシー設計は元トヨタでGRなどを担当したエンジニアが行ったため、こちらも本格的だ。

では一体今後の販売などはどう展開していくのか、エイムの取締役、岩田智行氏にお話を伺った。既に沖縄の久米島で試乗会などを行っており、反響はとても良いと話す。

そしてナンバー取得に際し、現状では沖縄の久米島と本島のうるま市に限定したエリアで走ることが許可されている状況だが、いずれそのエリアを拡大していく予定だそうだ。

また、初期の想定ユーザーはまずは官公庁、次いでリゾートホテルなどの施設での使用。その後に一般ユーザーへの販売という3つのステップを踏んでいくとのこと。既に予定価格は発表されていて、補助金のない状態で190万円である。デタッチャブルルーフやパワーウインドウ、それにアンドロイドオートとアップル・カープレイに対応したディスプレイも標準装備されるから、ナビなどに困ることもない。

中村氏によれば残念ながら沖縄での生産は難しく、結局生産をするのは中国ということになったという。余談ながら、2023年のジャパンモビリティーショー当時はいわゆるモックアップで、ドアなどのデザインも異なっていた。今回公表されたモデルは、まさにプリプロダクションモデル。ボディパネルも鉄板である。樹脂を使うよりも安くできるそうだ。全幅は僅か1.3m。極めてコンパクトだから、取りまわし性能も良く、1充電で120km走るというので、この種のモデルとしては十分な走行距離が確保されているといえよう。

すべて表示
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
著者一覧 >

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS