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ランボルギーニとの共同開発を予定していたBMW「M1」の相場は約6900万円以上だったが

ランボルギーニとの共同開発を予定していたBMW「M1」の相場は約6900万円以上だったが

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2025 Courtesy of RM Sotheby's

実際に製造されたのは399台だった

ミッドに搭載されたエンジンは3.OCSL用を改良した3453cc仕様の直列6気筒DOHC24バルブ。最高出力は出荷段階では277psとされていたが、後にル・マン24時間レースなどに投入されたモデルでは、その数字は500ps超を達成していたともされる。組み合わせられるミッションは5速MT。デファレンシャルにはロック率が40%に設定されたLSDが採用されている。

BMWは当初、M1を1980年までの間に800台生産する計画だったが、実際に販売されたのは399台であったと、今回それをオークションに導いたRMサザビーズは解説している。ちなみに出品車のM1は1980年3月7日にバウアーによってアッセンブリーを終了。その後BMWへと輸送され最終的な検査を受けた後、116番目に製造されたM1として記録されている。デリバリーはBMWイタリアを通じて行われたが、このモデルは生涯の初期にアメリカへと渡り、ニューヨークを拠点とするコレクションに保管された。

その後に母国ドイツを経由してヨーロッパへと戻ると、2018年12月に今回のオークションの出品者が購入。2019年にフランスで正式に登録された記録が残っている。現在までの走行距離はわずかに2万4237km。フランスのアンジェ近郊にあるBMWサービスセンターでの機械的なメンテナンスも施され、そのコンディションにも問題はない。さらに2025年4月に発行されたBMWバース証明書付き、マッチングナンバーのエンジンを搭載するこの魅力的なM1は、BMWファンにとっては見逃すことのできない存在といえた。

RMサザビーズがミラノ・オークションで掲げたエスティメート(予想落札価格)は、42万5000ユーロ~52万5000ユーロ(邦貨換算約6900万円~8528万円)。その希少性やスーパースポーツとしての魅力を考えれば、それは妥当な数字なのかもしれないが、残念ながら今回のオークションでは、このM1を落札する人物は現れなかった。今後の情報に期待したいところである。

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