落札想定価格を超えても入札が止まらない
今回ミラノ・オークションに出品されたシャシーナンバー「80763」のF40は、1989年7月27日にマラネロの工場からラインオフされ、1週間後の8月3日にフェラーリのファンには独自のレース活動でも有名な、ベルギーの首都ブリュッセルにある、ガレージ・フランコルシャンを通じて最初のオーナーに引き渡されたヨーロッパ仕様。つまりノン・キャタライザー仕様(触媒コンバーターなし)だ。
その後このモデルは1997年にはイギリスへと渡り、以後20年近くを同国で過ごすことになる。2021年にはマラネロのフェラーリ工場の近くにあるスペシャリスト、カロッツェリア・ザナージでエンジンのオーバーホールを受けた。さらにモデナのカロッツェリア・エジディオ・ボンファッティではボディの再塗装とペイントプロテクションフィルムを施工している。
フェラーリのクラッシック部門「クラシケ」による認定も、2022年にもちろん取得済みだ。2023年5月にこのF40を入手した出品者は、それを証明するレッドブックをもちろん所有しており、これももちろん車体とともにオークションに含まれた。走行距離は1万7300km。生産からすでに40年も迫ろうかというF40。その間には不運なクラッシュで消滅したモデルも多々あり、現存するモデルの数は確実に減っている。F40を入手するチャンスは、これからも年々少なくなっていくことは間違いないだろう。
そのような事情もあってかRMサザビーズは、この1989年式のフェラーリF40に、240万ユーロ〜280万ユーロ(邦貨換算約3億9000万円〜4億5500万円)のエスティメイトを設定。入札はこのエスティメイトのレンジを超えてもさらに続き、最終的に281万7500ユーロ(邦貨換算約4億5770万円)での落札という結果になった。はたしてF40は、これからどこまで価値を高めていくのか。興味は尽きない。
































































































